研究課題/領域番号 |
21K10056
|
研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 公治 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (90235341)
|
研究分担者 |
金 ミンジョン 藤田医科大学, 医学部, 客員助手 (50970175)
椎名 哲郎 藤田医科大学, 医学部, 助手 (10969843)
田母神 菜帆 藤田医科大学, 医学部, 助手 (20969753)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | エアロゾル / サージカルスモーク / COVID-19 / 歯科診療 / 吸引装置 / 微粒子可視化システム / 感水試験紙 |
研究実績の概要 |
2020年より新型コロナウイルス感染症が流行し、歯科治療時に発生するエアロゾルやサージカルスモークは水平感染のリスクとなるため、感染対策の必要性が生じた。口腔内、口腔外バキュームは、エアロゾルやサージカルスモークの飛散を抑制し感染予防に有用であると考えられるが、その飛散抑制効果については検証されていない。 歯科診療時のエアロゾルによる新型コロナウイルス感染予防対策を確立することを目的とし、歯科診療時のエアロゾルやサージカルスモークの発生と飛散状況、通常の室内換気と口腔内バキューム、口腔外バキュームによるその飛散抑制効果について評価した。 微粒子可視化システムと感水紙試験による解析を行なった。歯科用ファントム模型を使用し、エアータービン、電動回転切削器具(等速、5倍速)を用いた上顎前歯に対する模擬切削処置と鶏肉を用いたモノポーラー電気メスによる模擬切開手術を実施し、吸引装置(口腔内バキューム、口腔外バキューム)使用の有無によるエアロゾル、飛沫およびサージカルスモークの飛散状況を観察した。 前者では、主に12時方向への飛散がみられ、口腔内バキュームの使用時には全方向で飛散量は減少した。口腔外バキュームの単独使用でも一定の飛散量を減少させる効果が確認されたが、併用により飛散量はさらに減少した。後者では、サージカルスモークは発生後上昇し、術者や助手への暴露を認めた。口腔内バキュームの単独使用時にはサージカルスモークは術者の顔面近くまで上昇していたが、口腔外バキューム単独の使用時にはそのほとんどが吸引されていた。併用により飛散量はさらに減少した。 口腔内バキュームと口腔外バキュームの併用が、歯科治療時に発生するエアロゾルや飛沫の飛散量やサージカルスモークの曝露を顕著に減少させることが視覚的、定量的に確認された。
|