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2021 年度 実施状況報告書

エナメル上皮腫に対するbenzbromaroneの効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K10058
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

森田 浩光  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (30380463)

研究分担者 吉住 潤子  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (40596376)
吉本 尚平  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70780188)
松崎 英津子  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (20432924)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードエナメル上皮腫 / アポトーシス / スフェロイド
研究実績の概要

本研究の目的は、エナメル上皮腫に対するbenzbromaroneによる細胞死の作用機序をin vitro(遺伝子レベル、細胞レベルおよび組織レベル)およびin vivo(ヌードマウスへのオルガノイド移植による生体内での効果)で解明することである。初年度となる令和3年度は研究遂行により以下の成果を得た。
1. エナメル上皮腫細胞を用いたbenzbromaroneによる細胞死についての基礎医学的検討:エナメル上皮腫細胞(AM-1)でのbenzbromarone受容は、尿酸トランスポーターの一種であるSLC2A9を介したものと考えていたが、その後の研究により、細胞増殖に関与すると考えられているEYA(eyes absent family遺伝子)によるものである可能性が高いと考えられた。一方、AM-1を基に作製したオルガノイド(スフェロイド)に対してbenzbromarone投与により、caspase3の活性化を伴うアポトーシスが引き起こされることが明らかとなった。
2. 病理切片を用いたbenzbromaroneが作用する受容体の病理組織学的検討:エナメル上皮腫の病理切片からRNAを抽出し、それを用いて発現解析を行った結果、EYA-1が高発現していることが明らかとなった。
3. ヌードマウスへのオルガノイド移植によるin vivo研究:本実験に関しては、これまでできる限りエナメル上皮腫の生育環境と類似させるためにヌードラット顎骨への移植を試みたが移植片(オルガノイド)が生着しなかったため、過去に報告のあるヌードマウスを頭頂部皮下に移植する方法に切り替え、in vivo実験を行っていくこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予想した結果とは異なる結果となったが、新たな標的蛋白を発見し方針が定まったため、概ね順調に本研究は進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

1. エナメル上皮腫細胞を用いたbenzbromaroneによる細胞死についての基礎医学的検討:エナメル上皮腫細胞(AM-1)における細胞増殖へのEYA(eyes absent family遺伝子)の関与及びサブタイプの特定、またbenzbromarone投与によるcaspase3の活性化を伴うアポトーシスの詳細について調査する。
2. 病理切片を用いたbenzbromaroneが作用する受容体の病理組織学的検討:エナメル上皮腫によるEYAのサブタイプ同定と病理組織内分布について検討する。
3. ヌードマウスへのオルガノイド移植によるin vivo研究:ヌードマウスの頭頂部皮下にAM-1により作製したスフェロイドを移植し、benzbromaroneの生体内投与での効果を観察する。
以上の結果に基づき、次年度も継続してbenzbromaroneが作用する受容体の特定と細胞死の際に働く細胞内シグナル伝達の全容および細胞増殖に対する尿酸の関与について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

購入予定であった備品が学内で借用できることとなったため、次年度の消耗品費(実験動物費および抗体や各種実験用キット等の費用)として使用することとした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Volume-regulated chloride channel regulates cell proliferation and is involved in the possible interaction between TMEM16A and LRRC8A in human metastatic oral squamous cell carcinoma cells2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshimoto Shohei、Matsuda Miho、Kato Kenichi、Jimi Eijiro、Takeuchi Hiroshi、Nakano Shuji、Kajioka Shunichi、Matsuzaki Etsuko、Hirofuji Takao、Inoue Ryuji、Hirata Masato、Morita Hiromitsu
    • 雑誌名

      European Journal of Pharmacology

      巻: 895 ページ: 173881~173881

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2021.173881

  • [雑誌論文] αTAT1-induced tubulin acetylation promotes ameloblastoma migration and invasion2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshimoto Shohei、Morita Hiromitsu、Okamura Kazuhiko、Hiraki Akimitsu、Hashimoto Shuichi
    • 雑誌名

      Laboratory Investigation

      巻: 102 ページ: 80~89

    • DOI

      10.1038/s41374-021-00671-w

  • [学会発表] 既存薬を利用した難治性口腔疾患であるエナメル上皮腫の治療薬開発2022

    • 著者名/発表者名
      吉本尚平,森田浩光
    • 学会等名
      第95回日本薬理学会年会
  • [学会発表] αTAT1によるチューブリンのアセチル化はエナメル上皮腫の進展に寄与する2021

    • 著者名/発表者名
      吉本尚平,森田浩光,岡村和彦,平木昭光,橋本修一
    • 学会等名
      第48回福岡歯科大学学会総会

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公開日: 2022-12-28  

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