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2023 年度 実績報告書

Wntシグナルによる骨モデリング・リモデリング制御機構の時空間的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K10085
研究機関東京大学

研究代表者

疋田 温彦  東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60443397)

研究分担者 阿部 雅修  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10392333)
星 和人  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード骨リモデリング / イメージング
研究実績の概要

・骨芽細胞での古典的Wntシグナル活性を蛍光で検出するために、TCF/LEF結合配列、蛍光タンパク遺伝子配列、抗生剤耐性遺伝子配列を持つレトロウイルスを作製した。
・EGFPマウス由来骨芽細胞を分化培養し、同一部位を数日ごとに2光子顕微鏡で観察した。結果、高い運動性と、細胞膜のBlebbingを示す立方形の骨芽細胞が存在した部位で、その後の基質の添加が起こること、基質の増大に伴い、骨芽細胞の形態が徐々に扁平化することを定量的に示した。骨芽細胞が扁平化した状態で、Wntシグナル系を活性化する薬剤BIOを添加したところ、扁平な骨芽細胞が再び立方形へと変化し、激しく移動することを確認した。さらに、対照群と比較して基質の形成が増大することを定量的に示した。
・BIOや、ビスフォスフォネートの一種であるゾレドロネート、カテプシン阻害剤であるE64などの薬剤が骨恒常性に与える影響を、骨リモデリングをin vitroで再現した実験系を用いて検討した。位置情報を含めた解析を可能とするため、視野を16分割し、各領域における基質、骨芽細胞、破骨細胞パラメータを定量化し、それぞれの相関を解析した。結果、骨吸収量と形成量に中等度の相関がみられ、吸収と形成の量的および空間的な関連が示された。また、破骨細胞パラメータと基質吸収量、骨芽細胞パラメータと基質吸収量に相関がみられた。しかし、骨芽細胞パラメータと基質形成量あるいは破骨細胞パラメータとの相関はみられなかった。これに対して解析法を改良し、細胞のセグメンテーションによってこれらの相関が示された。一方ゾレドロネートやE64ではこれらの相関が低下・消失した。ゾレドロネート投与では、吸収と形成の両者が抑制されたが、それらの量的・空間的相関は保たれていた。一方、E64投与では、この相関がほぼ消失し、カテプシン阻害はカップリングを乱すことが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Inhibition of cysteine protease disturbs the topological relationship between bone resorption and formation in vitro2024

    • 著者名/発表者名
      Ono Sayaka、Tsuji Naoki、Sakamoto Tomoaki、Oguchi Shuya、Nakamura Takashi、Hoshi Kazuto、Hikita Atsuhiko
    • 雑誌名

      Journal of Bone and Mineral Metabolism

      巻: 42 ページ: 166~184

    • DOI

      10.1007/s00774-023-01489-w

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 骨リモデリング再現系での破骨細胞のアポトーシスによるカップリングへの影響2023

    • 著者名/発表者名
      辻 直紀、坂本 朋昭、中村 貴、星 和人、疋田 温彦
    • 学会等名
      第77回NPO法人日本口腔科学会学術集会
  • [学会発表] 骨モデリング・リモデリングのin vitroイメージング2023

    • 著者名/発表者名
      疋田 温彦
    • 学会等名
      第43回日本骨形態計測学会
  • [学会発表] 骨リモデリング再現系での破骨細胞のアポトーシスによるカップリングへの影響2023

    • 著者名/発表者名
      辻 直紀、坂本 朋昭、中村 貴、星 和人、疋田 温彦
    • 学会等名
      第43回日本骨形態計測学会
  • [学会発表] 骨代謝ネットワークin vitro再現系を用いた骨吸収抑制剤の骨リモデリングに対する 影響の時空間解析2023

    • 著者名/発表者名
      小野 紗也加、坂本 朋昭、小口 修矢、辻 直紀、中村 貴、星 和人、疋田 温彦
    • 学会等名
      第43回日本骨形態計測学会
  • [学会発表] 骨代謝ネットワークin vitro再現系を用いた骨吸収抑制剤の骨リモデリングに対する影響の時空間解析2023

    • 著者名/発表者名
      小野紗也加 小口修矢 辻直紀 中村貴 星和人 疋田温彦
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会学術集会
  • [学会発表] Bone nodule形成過程における骨芽細胞形態とWnt Signalによる骨芽細胞の再活性化の時空間的解析2023

    • 著者名/発表者名
      辻 直紀, 星 和人, 疋田 温彦
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会学術集会
  • [学会発表] Bone remodeling reconstitution system revealed the engulfment of apoptotic osteoclasts by osteoblasts contributed to osteogenesis.2023

    • 著者名/発表者名
      Naoki Tsuji, Tomoaki Sakamoto, Takashi Nakamura, Kazuto Hoshi, Atsuhiko Hikita
    • 学会等名
      第22回東京大学生命科学シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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