研究課題/領域番号 |
21K10088
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石田 陽子 新潟大学, 医歯学系, 特任准教授 (10377187)
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研究分担者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 先天異常 / 下顎骨 / 小下顎症 / 一次線毛 |
研究実績の概要 |
先天異常の3分の1で、顎顔面になんらかの異常が存在すると言われている。その中でも、下顎が小さい小下顎症は高頻度で認められる先天異常の一つである。ピエール・ロバン症候群やトリーチャー・コリンズ症候群などの遺伝性疾患だけでなく、非家族性の小下顎症も多く認められる。小下顎症を有する患者が、他の部位の骨に症状を有するケースは少ない。つまり、小下顎症を有する多くの患者は、下顎の骨の発生にのみ異常をきたしている。異常の頻度が高いことは、下顎骨の発生が、わずかな変異にも敏感に反応するほど精巧な分子制御メカニズムで成り立っていることを意味しているが、なぜ下顎の骨だけが、その様な繊細な分子機構によって形成されるのかは明らかにされていない。Oral-facial-digital type I (OFDI)症候群は、小下顎症を示す疾患の一つであり、その原因遺伝子としてOfd1が同定されている。顎顔面の骨を形成する神経堤由来細胞でOfd1を欠損させたマウス(Ofd1fl/fl;Wnt1Creマウス)を作成したところ、小下顎症が確認された。前年度とは違うWntシグナルのマーカーの発現を検索したところ、下顎骨形成予定領域であるメッケル軟骨の頬側部における発現のみが著しく減少していた。一方で、骨形成関連分子のRunx2の同じ部位での発現に、大きな違いは認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
さまざまな分子やシグナルを検索してきた中で、Ofd1の神経堤由来細胞特異的欠損マウスの下顎突起において変化のあるシグナルを見出せた。
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今後の研究の推進方策 |
HhシグナルやFgfシグナルの活性を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要なマウスの獲得に時間を要した関係で、使用できなかった消耗品が生じた。また、世界的な物資不足の影響で納品が遅れ、使用できなかった消耗品が生じた。次年度 は、前述した推進方策にしたがい、必要な実験動物、試薬等の消耗品類を購入する。また、国内外の学会における成果発表の旅費に充てる。
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