研究課題/領域番号 |
21K10102
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
野口 忠秀 自治医科大学, 医学部, 教授 (30275705)
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研究分担者 |
川嶋 理恵 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (10814444)
森 良之 自治医科大学, 医学部, 教授 (70251296)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 腫瘍間質線維化反応 / 頸部リンパ節転移 / バイオマーカー / 口腔癌個別化治療 / 多重免疫染色定量解析法 |
研究実績の概要 |
1.腫瘍間質の予後不良因子に関する臨床研究 口腔癌頸部リンパ節転移における節外浸潤(extra nodal extension :ENE)は術後再発高リスク因子とされているが、ENEのどのような所見が予後不良となるのかは明らかではない。近年、腫瘍の浸潤先進部におけるDesmoplastic reaction(線維性癌間質反応、以下DR)が予後に関与すると報告されている。今回われわれは、口腔扁平上皮癌頸部リンパ節転移巣にENE認める症例を対象に、DRを含めた予後因子の同定を行った。 対象および方法:2006年から2019年までに、当科にて口腔扁平上皮癌で一次治療を行なった604症例のうち、頸部郭清術を施行し、病理組織学的にENEを有する59症例を対象とした。年齢、性別、原発部位、T分類、頸部リンパ節転移時期、ENEを有する転移リンパ節の最遠位レベル、個数、原発巣の分化度、リンパ管侵襲、脈管侵襲、神経周囲浸潤の有無、浸潤様式(YK分類)、リンパ節および原発巣のDRの有無と治療成績(生存率)について検討を行った。結果:ENEを有する転移リンパ節の発現レベルが、Ⅰ・Ⅱ・ⅢよりⅣ・Ⅴの遠位レベルの方が5年全生存率(5 year overall survival : 5yOS)と5年疾患特異的生存率(5 year disease specific survival : 5yDSS)いずれも有意に生存率が低い結果であった。また ENEを有する転移リンパ節の個数が、単発より複数個の方が5yDSSが有意に低い結果であった。また、転移リンパ節のDRの有無について検討した結果、5yOSはDR(+)群が54%に対しDR(-)群が83.3%、5yDSSではDR(+)群が64.9%でDR(-)群は100%でいずれもDR(+)群では生存率が低い結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題の一つである腫瘍間質の予後不良因子に関する臨床研究に関しては概ね順調に解析が進んでいる。経時的に対象症症例を追加して統計学的検討を進める予定である。 検討項目の2つ目である、腫瘍微小循環の解明と多重免疫染色定量解析に関しては、試薬(解析予定の抗体)は既存のものと新規に染色予定の抗体は順次購入し、現在染色基準の設定を行なっている。設定ができ次第対象症例の染色を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
検討項目の2つ目である、腫瘍微小循環の解明と多重免疫染色定量解析に関しては、試薬(解析予定の抗体)は既存のものと新規に染色予定の抗体は順次購入し、染色基準の設定を行なっている。設定ができ次第対象症例の染色を行い定量解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度内で試薬購入金額にに不足を生じたため、次年度で試薬の購入のほか、消耗品ならびにデータ記録と解析用のパソコンの購入予定である。
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