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2022 年度 実施状況報告書

口腔組織幹細胞の免疫制御ネットワークにおける骨髄由来抑制細胞との相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K10105
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

田中 香衣  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20431934)

研究分担者 阿部 成宏  日本大学, 医学部, 助教 (00510364)
古村 眞  東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10422289)
安部 貴大  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20383250)
小澤 重幸  神奈川歯科大学, 歯学部, 特任准教授 (40434394)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードbiosheet / 骨再生 / 再生医療 / 間葉系幹細胞
研究実績の概要

生体内に侵入した異物は,周囲の異物反応により線維性組織によって被包化されることが知られている。我々は,骨欠損部に異物としてのシリコン製鋳型を留置することで,血中タンパク質の沈着,遊走した白血球・マクロファージ・肥満細胞から放出されたIL-4/8/13・MMP-β等のサイトカイン放出により,周囲に生成される非免疫原性線維性組織(biosheet)に着目して研究を進めた。
まず,C57BL/6Jマウスの頭蓋骨およびその骨膜を削除・除去し,欠損部を作製し,同部に鋳型を留置してbiosheetが作製されるか検討した。その結果,骨欠損部に直径1.0mmのギャップ構造を付与した上で,鋳型を留置すると,ギャップ構造を付与せずに留置した場合よりも,速やかにbiosheetが生成されることを確認した。次に,そのbiosheetを採取し,組織学的評価を行った。その結果,ALP染色陽性所見とアリザリンレッド染色一部陽性所見を認めたこと,また,免疫染色によりPeriostin,Runx2,Osterixの発現を認めたことから,biosheetが骨基質再生できることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

適切なbiosheet採取のために,欠損サイズ,欠損形態(ギャップ構造の付与等),biosheet採取のタイミング等の検討に時間を要した。
また,次年度研究に使用予定の間葉系幹細胞(MSC)単離に必要なFACS Fusionの細胞詰まりによる故障とRT―PCR装置の加熱過多による故障があり,故障の修理に長期間を有した。予算の関係上、修理が不可能のものもあった。その結果,MSCの細胞特性評価をすることができず,MSC併用のバイオシート研究は本年度中に遂行することが出来なかった。

今後の研究の推進方策

今年度,我々はギャップ構造を加えた鋳型を移植したことにより,鋳型単体での骨基質再生の可能性が示唆された。ギャップ構造を加えたことにより,構造内への体液の貯留,幹細胞誘導が骨再生に寄与したと予測している。今後は鋳型単体による骨再生部における骨免疫調節機構も含めた骨再生メカニズムの解明を予定している。
また,我々は既に,口腔由来間葉系幹細胞(MSC)から骨再生できることを証明しており,本年度の研究結果と合わせて,biosheetとMSCを組み合わせることで,より効率的な骨再生することを目指していく。

次年度使用額が生じた理由

biosheet生成条件の検討に時間を要したこと,備品の故障により実験進捗が遅れたこと,ロシア-ウクライナ間の紛争により入荷未定の備品・必要物品が複数あり,本年度の納品が出来なかったことによる。備品は整備され,代替物品の購入を検討している。

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公開日: 2023-12-25  

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