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2021 年度 実施状況報告書

口腔がんエピゲノム異常遺伝子の網羅的解析とエピゲノム薬による腫瘍抑制効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K10121
研究機関北海道医療大学

研究代表者

永易 裕樹  北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90265075)

研究分担者 植原 治  北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00709248)
吉田 光希  北海道医療大学, 歯学部, 講師 (30453260)
原田 文也  北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30824205)
安彦 善裕  北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード口腔がん / エピゲノム / DNA脱メチル化剤
研究実績の概要

本邦における口腔がんは、高齢化に伴い増加傾向にある。口腔扁平上皮癌の治療法として、原発巣への外科療法・頸部転移巣への頸部郭清術に加え、化学・放射線療法が行われている。しかしながら、口腔がん全体の原発巣再発率は13~30%で、口腔がん全体の5年生存率は60~70%であることから、治癒率向上のための新規治療法の開発が望まれる。本邦では、骨髄異形成症候群と皮膚T細胞性リンパ腫に対し、DNAメチル基転移酵素阻害剤(DNMTi)とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)によるエピゲノム薬治療が臨床応用されている。口腔がんのエピゲノム異常は解明されつつあるが、エピゲノム薬の応用には至っていない。本研究ではこれまでに報告の無い、口腔がんのDNAメチル化異常とヒストンアセチル化異常の両面からの網羅的解析を行うことでエピゲノム異常遺伝子の同定を行い、DNMTiとHDACiを組み合わせたエピゲノム異常の修復作用による腫瘍抑制効果について検証する。
今年度はまず、DNMTiの1つである5-Azacytidine (5Aza)を用い、細胞培養における効果を検討した。舌扁平上皮がん由来細胞株SASを用い、5Azaの細胞増殖能への影響について検討した。5Azaをそれぞれ0.1, 1, 10, 20, 30μM濃度に振り分け、SASに添加し、1, 3, 7日後に0.5%トリパンブルー染色法を用いてセルカウンターによる細胞生存率の計測を行った。1, 3, 7日後の細胞増殖が、20, 30μM濃度の5Aza添加により有意な抑制効果が観察された。次いで、wound healing assayによるSASの増殖抑制効果を検討したが、有意な増殖抑制効果は認められなかった。そこで、HDACiの1つであるバルプロ酸を併用することを試みた結果、5Aza 10μMとバルプロ酸 4mMの併用において、対照群と比べ有意な増殖抑制効果が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、DNMTiやHDACiの種類・濃度の選定に時間を要し、予定していた動物実験を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

次年度は、今年度選定したDNMTiやHDACiをもとに動物実験を行い、腫瘍抑制効果について検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度はDNMTiやHDACiの種類・濃度の選定に時間を費やしたことで、予定していたRNA-seqを行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度にRNA-seqを行うことで使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Demethylation effect of 5-Azacytidine on oral squamous cell carcinoma2021

    • 著者名/発表者名
      Koki Yoshida, Shuhei Takahashi, Fumiya Harada, Dedy Ariwansa, Ariuntsetseg Khurelchuluun, Durga Paudel, Daichi Hiraki, Tetsuro Morikawa, Osamu Uehara, Jun Sato, Yoshihiro Abiko, Hiroki Nagayasu
    • 学会等名
      第34回日本口腔診断学会、31回日本口腔内科学会合同開催学会
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるエピゲノム薬の腫瘍抑制効果の検討2021

    • 著者名/発表者名
      高橋 周平、吉田 光希、原田 文也、Ariwansa Dedy、Khurelchuluun Ariuntsetseg、Paudel Durga、平木 大地、森川 哲郎、植原 治、佐藤 惇、永易 裕樹、安彦 善裕
    • 学会等名
      第53回日本臨床分子形態学会総会・学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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