研究課題/領域番号 |
21K10138
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
木本 明 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30597167)
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研究分担者 |
明石 昌也 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40597168)
榎本 由依 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70823045)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 口腔がん / メタボローム / オミックス |
研究実績の概要 |
口腔がんの大部分は扁平上皮癌であり、標準的治療は手術とされている。また、補助療法として放射線治療、化学療法が併用されることが多いが、進行がんに対しては予後が悪く、制御が可能であった場合でも患者自身のQOLを著しく低下させる。そのため、根治治療を目的としながらも、可能な限り機能を温存することも口腔がんにおいては重要である。現在、口腔がんに対する化学療法は、シスプラチン(CDDP)や5-FU、ドセタキセルが使用されている。しかし、進行がんを制御するまでは至っておらず、副作用も多い。本研究では、統合オミックス解析を行い、口腔がんに特異的な代謝経路を探索する。また、それに関わる代謝酵素のうち、がんの増殖の制御に関わるものを導き出し、その阻害剤の効果を検討することで、将来的な口腔がんの新たな治療薬の開発をめざす。 まずヒト由来口腔がん細胞株(OSC-19、HSC-3)のガスクロマトグラフィー質量分析を実施した。また、口腔がん患者の血漿メタボローム解析を実施し、得られたデータを統計ソフトを用いて多変量解析することで、口腔がん患者に特異的な代謝物の変動を探索している。次に、ヒト由来口腔がん細胞株と血漿メタボローム解析の結果と比較することで、特に著明な変化を示す代謝経路の探索を開始している。今後は、これらに加え、口腔がん生体材料のメタボローム解析を実施することで、さらに口腔がん特異的な代謝経路を絞っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口腔がんの部位により、組織のメタボローム解析にかなりのバラつきが出ることが分かった。そのため、血漿を中心にメタボローム解析、プロテオーム解析を行い、がん関連の代謝物、タンパク質の関連性を探索している段階であるため。
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今後の研究の推進方策 |
舌がん、頬粘膜がん、歯肉がん、口底がんなど、部位により組織のメタボローム解析、プロテオーム解析の結果にバラつきがあり、今後は舌がんのみなど、部位ごとの解析を行う方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
プロテオーム解析を行う際に、収集した全ての生体サンプルを実施することが難しく、その選定を行っていたため。
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