研究課題
本年度は、抗クローディン4抗体が口腔扁平上皮癌に対する適応を検討するため、69例の口腔扁平上皮癌に対して免疫染色によりクローディン4の発現を検討した。染色強度は0~3の4段階で判定し、これに各染色強度の面積(%)を積算し0~300の発現強度とした。69例の平均発現強度は83±87であり、32例(46%)は発現強度50未満であったのに対し、19例(28%)は発現強度100以上であった。また、クローディン4発現強度は、T因子(P = 0.0060)、N因子(P = 0.0489)および、ステージ(P = 0.0055)と有意な相関を示したが、これに対し、同じ上皮性クローディンであるクローディン1は、クローディン4よりも発現強度は低く、T因子、N因子、ステージとの相関は認められなかった。さらに、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株、KCN、HSC3、HSC4におけるクローディン4のmRNA発現を検討したところ、高転移株であるKCN、HSC3ではHSC4よりも高い発現が認められた。これらの結果から、口腔扁平上皮癌は、より進行した症例でクローディン4発現が亢進しており、抗クローディン4抗体治療の適応になると考えられた。
2: おおむね順調に進展している
一定の成果が得られている。
継続して研究を行う。
学会発表用の旅費が少なくすんだ。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Int J Mol Sci
巻: 23 ページ: 10704
10.3390/ijms231810704