研究課題/領域番号 |
21K10153
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金井 壮律 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (20344517)
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研究分担者 |
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00250465)
沢 禎彦 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70271666)
足利 雄一 北海道大学, 大学病院, 講師 (70372258)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ポドプラニン / 骨細胞 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
ポドプラニンpodoplanin遺伝子Pdpn をコンディショナルにノックアウト (cKO) したマウスでは、メカニカルストレスを負荷した骨で破骨細胞の集積が見られないことを見出し、ポドプラニンが骨細胞のメカノトランスダクションを仲介して石灰化に関与する事に着目した。今回、メカノトランスダクションに重要な役割を担うと考えられる骨細胞突起の形態の違いを検討するために、ポドプラニンをコンディショナルにノックアウト (cKO) したマウス、ワイルドタイプおよび老齢マウスを使用して骨細胞突起の太さ、数を計測した。計測方法は、パラフォルムアルデヒドで固定したマウスから大腿骨を摘出し、通法に従って SEM 標本を作製し走査電子顕微鏡で観察した。観察した画像からそれぞれの骨細胞突起の太さ、数を計測した。その結果、ワイルドタイプマウスと比較して、ポドプラニンをコンディショナルにノックアウト (cKO) したマウスと老齢マウスの骨細胞突起の太さは細く、数は少なかった。このことからポドプラニンは、骨細胞突起を形成する重要なタンパク質であり、また、ポドプラニンをコンディショナルにノックアウト (cKO) したマウスと老齢マウス骨組織内のOsteocyte Lacunocanalicular Networkを観察して見ると、ネットワークがワイルドタイプマウスと比較して明らかに低下しており、情報伝達や代謝の調節機能の低下が起こっていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、使用している Dmp1-Cre;PdpnΔ/Δ (骨Pdpn cKO)マウスの繁殖に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
SEM 標本のサンプル数を増やしワイルドタイプマウスと比較して、ポドプラニンをコンディショナルにノックアウト (cKO) したマウスと老齢マウスの骨細胞突起の太さおよび数を精査し統計処理を行う。また、メカニカルストレス実験として、上記のマウスの上顎両側第1・第2臼歯間に種々のゴム厚のゴム片を挿入(Waldo法)後、SEM 標本のサンプルを作成し骨細胞突起の太さおよび数の変化についても精査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の研究材料の入荷が4月以降になるため。
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