研究課題/領域番号 |
21K10154
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福永 智広 東北大学, 大学病院, 講師 (70362994)
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研究分担者 |
溝口 到 東北大学, 歯学研究科, 教授 (20200032)
坂本 麻由里 東北大学, 大学病院, 医員 (20846422)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯の移動 / 骨改造 / 低出力超音波パルス |
研究実績の概要 |
長期間にわたる矯正歯科治療は、う蝕や歯周病などの発生に関与するため、治療期間の短縮が望まれており、歯槽骨骨改造を亢進させることが重要であると考えられている。低出力超音波パルス (LIPUS) は、骨折治療器として臨床応用されており、骨形成作用を有することが報告されているため、矯正学的歯の移動時における骨改造を亢進させる可能性が示唆されるが、そのメカニズムは不明である。本研究では、矯正学的歯の移動時における低出力超音波パルスの効果を解明することを目的とし、in vivo, in vitroからのアプローチにより分子メカニズムの解析を行う。本年度は、昨年度に確立した直径0.014インチの超弾線ワイヤーを用いたラット実験的歯の移動モデルにおいて、低出力超音波パルスのラット歯槽骨に及ぼす影響を組織学的に解析した。10週齢ラットの上顎第1臼歯に矯正力を付与し、実験的歯の移動を行い、歯の移動から21日後に、通法に従い上顎コツを摘出し、エチレンジアミン四酢酸にて脱灰し、水平断連続切片を作製した。得られた脱灰標本を通法に従い、ヘマトキシリンおよびエオジンにて染色した。その結果、歯の移動を行わないコントロール群では、歯根周囲の歯根膜腔がほぼ一定で遭ったのに対し、歯の移動群、LIPUS+歯の移動群では、矯正力に対し圧迫側では、歯根膜の幅が減少し、牽引側では歯根膜腔が拡大していた。さらに、LIPUS+歯の移動群における歯槽骨内部の変化を観察することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
歯の移動時のLIPUSの影響を検討するためのラットを用いた歯の移動モデルを作製し、組織学的解析を行うことができたが、培養細胞を用いた低出力超音波パルスの影響を検討できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ラット実験的歯の移動モデルのさらなる解析を行うとともに、培養細胞を用いたin vitroの系用いた検討を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、ラットを用いた実験的歯の移動モデルを作製し、組織学的解析を行うことができたが、培養細胞を用いたin vitroの解析を行うことができなかった。次年度以降に、本年度に確立した実験的歯の移動モデルのさらなる解析を行うとともに、培養細胞を用いたin vitroでの解析も行っていく予定である。
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