研究課題/領域番号 |
21K10161
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
光畑 智恵子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (10335664)
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研究分担者 |
岩本 優子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (00748923)
香西 克之 広島大学, 医系科学研究科(歯), 名誉教授 (10178212) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小児 / ストレス / ドーパミン受容体 |
研究実績の概要 |
脳の形成・発達の時期である胎児期から幼少期に受けたストレスが後年に発症した病態に関連することが知られている。本研究では、出生早期に母子分離を行うことでストレス負荷されたマウスにおいてdopamine受容体の発現に差があったことをベースにし、その発現制御機構を解明することで、早期ストレスの影響を明らかにしたいと考えている。 幼若期のストレス応答において、行動変容とdopamine神経系の係わりを明らかにするためdopamine receptor発現への変化について検討を行った。 マウスを用いて幼若期ストレスとして出生早期に母子分離を行い、母子分離群をストレス群、非母子分離群を対照群とした。5週齢時に行動量と両群マウスより線条体・中脳を摘出し、dopamine receptor D1R, D2RのmRNA発現量についてRT-PCRにて解析を行った。行動量は対照群に比べ、ストレス群で増加傾向にあった。dopamine receptor D1R, D2RのmRNA発現量についてRT-PCRの結果から、ストレス群で線条体において発現量の減少傾向が認められた。行動量に関してはストレス群では対照群より増加するマウスと逆に低下するマウスもいたことから例数を増やして個々での検討の必要性が明らかとなった。またD2Rについてはshort とlongの2種類の発現があることからそれぞれでの発現についての検討を行った。ストレス群でD2のshortの発現量が多少増加している傾向が認められた。こちらについてもさらなる検討が必要であると考える。D1R、D2Rの調整に係る可能性のあるDARPP-32の発現について現在解析中だが、こちらも今後サンプル数を増やして検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1回の飼育で得られる子マウスが少なく、また研究以外の業務で時期を逸してしまってデータが取れなかったことなども原因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
マウスを用いた系のみでなく、培養細胞を用いた系でもやってみることを計画していたので、両方を並走させることで研究を推進していく予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅延していることから、消耗品の使用が予定より少なかったこと、また、コロナで学会等への参加がなく、旅費の使用がなかったことなどが原因であると考える。 昨年計画していた実験用のマウスや細胞の購入費として使用するととも、研究遂行のための情報収集として学会への参加のための旅費として使用することで今年度の予算と合わせて使用する予定としている。
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