研究課題/領域番号 |
21K10166
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
佐伯 桂 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00448812)
|
研究分担者 |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
牧 憲司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60209400)
森川 和政 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70514686)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 骨成長 / 骨形成 / 骨再生 / 味覚受容体 |
研究実績の概要 |
正常な口腔機能を獲得するためには,胎生期から小児期にかけて適切に骨組織が成長する必要があり,この骨成長プロセスは遺伝的要因だけでなく,栄養状態によっても強く影響を受ける.Tas1Rファミリー(Tas1r1, Tas1r2, Tas1r3)はGタンパク質共役型受容体で味覚受容器としてTas1r2/Tas1r3の複合体で甘味、Tas1r1/Tas1r3の複合体でうま味を感知する.適切な栄養素を含む食餌を深く味わい摂取することが適切な顎顔面骨格の成長に不可欠であることは言うまでもない.しかしながら,近年の研究からこれらTas1Rファミリーが口腔粘膜以外でも各組織で栄養センサー,すなわちTas1r2/Tas1r3 - 糖質(エネルギー源),Tas1r1/Tas1r3 - アミノ酸 (体を構成) として機能することが明らかとなってきた.そこで申請者らは骨形成におけるTas1Rの役割を検討することとした.Tas1r3は骨髄間質幹細胞や骨芽細胞にも発現し,骨芽細胞分化と共にその発現量は上昇した.また,siRNAを用いて前骨芽細胞株MC3T3-E1細胞のTas1r3をノックダウンすると細胞増殖とBMP-4で誘導した骨芽細胞分化マーカーのALP活性が減少した.以上から骨芽細胞に発現する栄養センサーTas1r1/Tas1r3とTas1r2/Tas1r3はアミノ酸や糖質を検知し,骨芽細胞分化を制御している可能性がある.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨芽細胞局所に発現する味覚受容体が骨芽細胞分化に関与することを証明するデータがとれ始めたから.
|
今後の研究の推進方策 |
Tas1r3ノックアウトマウスの骨を解析していく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で実際に現地に行って参加する学会がなく,当初の予定よりも旅費がかからなかったから.
|