研究課題/領域番号 |
21K10170
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
唐川 亜希子 昭和大学, 歯学部, 講師 (70552280)
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研究分担者 |
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 教授 (80307058)
茶谷 昌宏 昭和大学, 歯学部, 准教授 (80628628)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 破骨細胞 / ビスホスホネート / 抗RANKL抗体 / 歯牙萌出 |
研究実績の概要 |
破骨細胞は歯胚形成期の顎骨における重要な因子であり、破骨細胞分化因子RANKLのノックアウトモデルでは歯の萌出が遅延することが知られている。一方で、出生後から青年期に進行する歯牙成熟の詳細なメカニズムは不明である。申請者らは生後1~8週の若齢マウスに骨吸収抑制薬であるビスホスホネート製剤(ゾレドロネート)を投与すると、顎骨内の骨芽細胞数が減少し、歯牙萌出と歯根形成が抑制されることを報告した。このとき、抗RANKL抗体で破骨細胞活性を抑制した群では歯牙が正常に萌出したことから、ビスホスホネート製剤には破骨細胞に依存せずに歯根形成や顎骨発達を抑制する未解明の機構があると考えられる。本研究は、ビスホスホネート製剤による歯根成熟期の顎骨骨代謝および歯牙萌出調節機構の解明を目的として行う。 神経堤由来細胞にEGFPを発現するP0-Cre/CAT-GFPダブルトランスジェニックマウス(P0-EGFPマウス)は令和3年度にヘテロタイプの繁殖に成功しており、令和4年度から継続して、ホモタイプ確立のための交配を実施している。令和5年度は令和3、4年度に引き続き、P0-EGFPマウスの歯牙・口腔粘膜細胞から分化誘導した象牙芽細胞様細胞、骨芽細胞の解析と、ゾレドロン酸単回投与モデルの歯牙・顎骨の形態解析および全身解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2、3年度の新型コロナウイルス感染症に伴うマウス繁殖制限により、P0-EGFPマウスの総数が著しく減少し、現在も実験に必要なP0-EGFPマウスの確保に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度はマウスの繁殖を進めたが、繁殖可能なマウスが少なく系統が途絶えそうになるなど、実験に十分な動物数の確保は困難であった。また、令和3年度からホモタイプの確立を目指しているが、現在も得られていない状況である。 令和5年度末頃から動物数が増え始めたため、系統の維持と動物の繁殖を進める。動物が確保できるまでの期間は、細胞培養などのin vitroの実験を継続する予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症発生時の動物繁殖制限の影響が著しく、未だP0-EGFPマウス数が十分に確保できていない。そのため、in vitro、in vivo両方の実験が計画通りに行えず、次年度使用額が生じた。 令和5年度末頃から動物数が増え始めたため、系統の維持と動物の繁殖を進める。動物が確保できるまでの期間は、細胞培養などのin vitroの実験を継続する予定である
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