本研究の目的は、象牙質-歯髄複合体のモデルとして有用な3次元構築物を作製することである。本研究では、マウスの頭蓋神経堤細胞株O9-1細胞を用いてスフェロイドを作成し、これをバイオ3Dプリンターを用いて剣山様針に刺入することで3D構造体を作成した。
3次元構造体では、外側に細胞増殖領域とテネイシンCの発現が確認されたが、DMP1の発現は観察されなかった。しかしながら、石灰化誘導培地で培養した場合は、DMP1の発現が促進された。細胞外マトリックスタンパク質であるテナシンCとDMP1は、スフェロイド内で極性発現しており、象牙芽細胞分化に何らかの影響を与えることが示唆された。
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