研究課題/領域番号 |
21K10181
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
桐本 博章 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30376777)
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研究分担者 |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
大森 浩子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (20613615)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 咀嚼筋 / 表面電極 / 機械的刺激 / 歯根膜 |
研究実績の概要 |
哺乳類の成長過程においては、歯の萌出に伴い、末梢からの上行性入力に修飾され下行性出力が変化することで、咀嚼運動に関わる中枢神経系が成熟する際、咀嚼運動の末梢性制御に関与する歯根膜機械受容器の発生・成熟には機械的刺激が密接に関わっている。しかし、末梢神経系の成熟過程は、ヒトにおいては明らかになっていない。本研究では、歯の萌出に伴う機能獲得を歯根膜咀嚼筋反射の観点から評価し、歯根膜からの末梢感覚入力が咀嚼筋筋活動にいかなる影響を与えるかを明らかにすることを目的とする。 本年度は、表面アレイ電極および機械的刺激装置の改良を行った。まず、申請者らが改良し用いてきた簡便かつ非侵襲的に、ヒト咬筋においてこれまで困難であった運動単位レベルでの反射性応答を両側同時記録することに成功した表面アレイ電極を、側頭筋にも適用するため、設計をさらに改良し、電極の特性を検証した。筋電位に類似した波形を発生させ、改良した電極にて測定した。結果より、その特性は咬筋用表面アレイ電極と同等であり、有用である可能性が示唆された。次に、歯へ刺激を付与する機械的刺激装置に関して、これまで前歯・犬歯の刺激に用いてきたが、他の歯種へ対応、さらに刺激方向も変えられるよう設計、製作した。臼歯への刺激や、方向は水平方向のみならず垂直方向も可能となった。今後、これらを用いることで、ヒトにおける歯根膜咀嚼筋反射性応答機構を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた、表面アレイ電極および機械的刺激装置の改良は、おおむね達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、個性正常咬合者における歯根膜咀嚼筋反射の測定を行い、データ解析を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
電子部品の調達遅れの影響で、機器の一部の購入が次年度となったため。
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