研究課題/領域番号 |
21K10199
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
和田 悟史 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20581119)
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研究分担者 |
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (30333826)
友成 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70398288)
勝又 裕太 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70886423)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ビスフォスフォネート / 顎骨壊死 / マクロファージ / 抗酸化酵素 |
研究実績の概要 |
抗酸化ストレス酵素発現マスターレギュレーターであるNF-E2-related factor 2(Nrf2)によりM1/M2マクロファージ分化状態を制御することが報告されており、Nrf2の活性化を介して2マクロファージを分化誘導させることによりBRONJの病態寛容につながることが考えられる。本研究課題では、Nrf2の活性化によりマクロファージの分化状態の制御を介したBRONJの病態改善の検証を行うことを目的とする。 本年度はZoledronate、DexamethasoneおよびDocetaxelの3薬剤を用いたBRONJモデルマウスを用いて動物実験を行った。上記3薬剤を3週間投与後、上顎第一臼歯を抜歯し、さらに3週間後の抜歯窩周囲の組織学的観察を行った。対照群と比べて、BRONJモデルマウスでは抜歯窩周囲に治癒不全が認められたが、Nrf2活性化剤であるジメチルフマル酸投与により治癒不全の緩解が認められた。そこでパラフィン切片を用いた組織学的解析を行った。ヘマトキシリン・エオジン染色より、3薬剤投与群では抜歯窩周囲の骨細胞が消失していたが、ジメチルフマル酸投与群では骨細胞が確認された。また、酸化ストレスマーカーである8-hydroxy-2-deoxyguanosine(8-OHdG)の免疫組織化学を行ったところ、3薬剤投与群と比較してジメチルフマル酸投与群で8-OHdG陽性細胞の減少が認められた。以上の結果より、BRONJモデルマウスの抜歯窩周囲では酸化ストレスが上昇しており、Nrf2活性化剤により酸化ストレスの状態が低下することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
職場が変わり、実験器具および実験に必要な試薬の購入など、実験室の立ち上げに時間がかかってしまったことがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
M1マクロファージおよびM2マクロファージのマーカー分子であるCD68およびCD206の免疫組織化学のデータでばらつきが認められ、抗体濃度などの条件検討を再度検討し、抜歯窩のM1およびM2マクロファージの分布について解析を行い、BRONJモデルマウスの抜歯窩の状態に対して、Nrf2活性化剤が与える影響について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は職場の移動により研究活動に遅延が生じてしまった。また免疫組織化学の抗体の購入および条件検討にも時間を要してしまった。そのため予定していた免疫組織化学を行うことができず、未使用額が生じた。次年度は免疫組織化学の条件検討に目途が立ってきたため、組織解析を進める予定であり、その費用に使用する。
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