研究課題
近年、口腔の健康と全身の健康、歯周病や口腔細菌と全身疾患との関連を示すエビデンスが蓄積しつつある。一方で、医科疾患治療目的に愛媛大学医学部附属病院を受診し、周術期口腔ケアのために歯科口腔外科矯正歯科を受診する有病者の口腔内は惨憺たる有様である。う蝕、歯周病はともに細菌感染症であり、それら罹患予防には日々のブラッシング、定期的な歯科健診と専門的歯周清掃という、確立された方法がある。にもかかわらず、う蝕と歯周病は多くの人々が歯を失う原因であり続け、種々の全身疾患の増悪因子や原因にもなっている。そこで、まずは妊婦を対象に、周産期合併症のリスクを軽減し、児に良好な口腔環境を授け、健康な口腔を育むよう指導することを目標とした。本研究では、そのためのエビデンスとなるデータ集積を目的とした。この研究趣旨に賛同し、協力いただける市中病院、医療機関 の歯科医、産科医を募るところから始めた。また、本研究は、前向きコホート研究であるため、研究を行うにあたり、研究計画、対象者に対する倫理的配慮、個人情報の取り扱い、情報の保管および廃棄の方法、情報の二次利用について留意する必要があった。吐き出し法により採取された唾液および歯周ポケットからペーパーポイントを使用して採取した検体から口腔内細菌 DNA を抽出し、PCR インベーダー法で 6 種の歯周病原因菌(P. gingivalis、T. denticola、T. forsythia、P.intermedia、A. actinomycetemcomitans、F. nucleatum)を定量的に検出するための各種条件検討を行った。また、歯垢サンプルを採取して、次世代シーケンサーを利用したマイクロバイオーム分析に着手した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Cureus
巻: 16 ページ: e54439
10.7759/cureus.54439
巻: 16 ページ: e57229
10.7759/cureus.57229
Scientific Reports
巻: 18 ページ: 22626
10.1038/s41598-023-49545-9