研究課題
近年、糖尿病増加に伴う多様な合併症が患者のQOL低下や健康寿命短縮を引き起こし、大きな社会問題となっている。中でも細小血管障害である糖尿病性網膜症は我が国において年間3,000人以上を中途失明させる重篤な合併症であり、国の政策として新たな予防法が求められている。申請者はこれまでに「歯周病の炎症が糖尿病性網膜症の発症に影響する可能性」を横断研究により明らかにしてきた。そこで、本研究では歯周病原細菌由来の短鎖脂肪酸やリポ多糖が誘導する活性酸素と炎症性サイトカインに着目し、それらが網膜に作用して糖尿病性網膜症の発症に影響を与える機序を糖尿病モデル動物により明らかにする。最終的には以下の4項目について解明する。① 歯周病原細菌由来SCFAsが糖尿病性網膜症発症に与える影響 ② 歯周病原細菌由来LPSが糖尿病性網膜症発症に与える影響 ③ Toll 様受容体2・4(TLR2・4)阻害剤の糖尿病性網膜症発症への抑制効果 ④ 歯周治療の軽度糖尿病性網膜症への治癒効果現在、糖尿病モデルラットを作り予備実験を進めている。
2: おおむね順調に進展している
動物実験であるため、コロナ禍の影響を受けることなく進んでいる。
内科学や薬理学を専門とする研究分担者および連携協力者と協力し合いながら、進めていく。解析機器は所属施設に常備されているため問題はない。
次年度は前年度に比べて解析費用が多くかかることが見込まれる。また、資料採取のため関連学会に参加(オンライン)するため、参加費等も前年度に比べて多めに計上する予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) 図書 (1件)
Nutrients
巻: 13 ページ: 1252~1252
10.3390/nu13041252