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2023 年度 実績報告書

媒介モデルから口腔と全身の健康の関係の性差の解明を目指す研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K10229
研究機関九州大学

研究代表者

古田 美智子  九州大学, 歯学研究院, 准教授 (20509591)

研究分担者 山下 喜久  九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403) [辞退]
二宮 利治  九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード歯周病 / 肥満 / 性差 / インスリン抵抗性
研究実績の概要

本研究では、インスリン抵抗性に関与するレチノール結合タンパク質(retinol binding protein-4, RBP4)の血清中濃度を測定し、肥満と歯周病の関連の性差にRBP4が影響しているかを調べることを目的とし、縦断研究で肥満→2年後のRBP4→10年後の歯周病の関係に性差が認められるかを検討した。対象は50~59歳の地域住民で、ベースラインから2年後に血液試料を採取し、また10年後に歯科健診を実施した者とした。肥満や歯周病の有病率は女性よりも男性が高く、RBP4レベルも女性よりも男性が高かった。ベースライン時の肥満と2年後のRBP4レベルに男女とも関連性が認められなかった。RBP4と歯周組織状態の関連性では、男性では2年後のRBP4レベルが低い者では10年後の歯肉出血の割合が高かったが、肥満→RBP4→歯周病の関連性が認められなかった。
先行研究では、女性において肥満と歯周病の関連性が認められ、炎症や糖代謝異常がその関連性を媒介していることが検討されていた。本研究の対象者で、炎症の指標である高感度CRP(C-reactive protein)やインスリン抵抗性の指標HOMA-IR (Homeostatic Model Assessment for Insulin Resistance)を用い、因果媒介分析を行ったところ、肥満→高感度CRP→歯周病の関連性が女性において認められた。この関連性では、直接効果はなく、間接効果が認められ、その媒介割合は47.8%であった。しかし、HOMA-IRとの関連性は認められなかった。本研究でのRBP4の結果も考慮すると、肥満と歯周病の関連性にインスリン抵抗性が媒介しておらず、女性においては炎症状態が媒介していることが示唆された。

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公開日: 2024-12-25  

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