研究課題/領域番号 |
21K10239
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
田中 とも子 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (70307958)
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研究分担者 |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468) [辞退]
堀江 哲郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10508675)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | バイオフィルム / Red Complex / 歯周病 |
研究実績の概要 |
本研究は口腔常在菌のreplaceによるバイオフィルム形成抑制効果について検討し、口腔バイオフィルムの健全化による歯周病予防ツール開発を最終目的とする。今年度は、昨年度成功した歯周病原細菌4菌種の人工バイオフィルムを用いて菌叢解析による菌叢変化の測定に加え、同時にバイオフィルム形成量を評価する方法を確立する目的で基礎実験を行った。 使用菌株はPorphyromonas gingivalis (P. g) 、Tannerella forsythia (T. f) 、Treponema denticola (T. d)、Fusobacterium nucleatum(F. n)、Streptococcus gordonii (S. g) である。バイオフィルム形成には、0.1% N-acetylmuramic acid添加TYGVS 培地を用い、昨年度と同様の方法でヒト歯・歯根の切片上に行った。はじめにODを1.0に調整したS.g懸濁液を、被験切片が設置された容器内に満たし、24時間培養した。次いで懸濁液を除去し、各ODを1.0に調整したP. g、T.f、T. dとF. nの懸濁液を被験切片が設置された容器内に入れ、さらに嫌気条件下(90%N2、5%CO2)で3日間培養した。 構成細菌量の比較をするためにSpike-in コントロールをDNA抽出前の検体に添加した。これらの人工バイオフィルムから経時的にDNAを抽出し、菌叢解析を行った。各検体から抽出したDNA濃度測定の結果、いずれの濃度ともにSpike-in コントロール添加検体のDNA濃度の経時的変化は今回使用した5菌種混合の懸濁液の増殖曲線の変化と近似していたことから使用した5菌種でのバイオフィルム形成量を評価可能であることが示唆された。現在、菌叢解析を進めており、その結果を含めて詳細に検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を進めるにあたって、不可欠な菌叢解析を行う装置の故障により、修理が完了するまで研究の中断を余儀なくされたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、菌叢解析に使用する装置の修理が完了したため、時期は遅れたものの研究を再開しており、研究の方向性は変更の必要はないと考えている。また、研究を中断していた期間には、人工バイオフィルムを蛍光色素を使用して共焦点レーザー顕微鏡による観察を行い、菌叢解析の結果の解釈に有用なデータを集積した。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めるにあたり不可欠な装置が故障し、研究の中断を余儀なくされたため研究期間の延長を申請したところ、認められた。このため生じた次年度使用額は残りの研究を遂行するために使用する。
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