研究課題/領域番号 |
21K10253
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡 広子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 主任特任学術研究員 (60452588)
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研究分担者 |
北川 雅恵 広島大学, 病院(歯), 助教 (10403627) [辞退]
宮内 睦美 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50169265)
加藤 文紀 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (70452589)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 硬組織 / メチル化 / 石灰化 |
研究実績の概要 |
歯根表面から樹立された細胞株の培養系を用い、抜去歯検体で年齢と相関が認められたターゲットについてメチル化の培養期間および継代数の影響を検証した。リアルタイムPCR後に高解像度融解曲線(HRM)解析を行った結果からメチル化スコアを算出したところ、同じ培養期間では通常培養に比較して石灰化培養の方がターゲットのメチル化スコアが高くなる傾向を確認した。メチル化アレイの結果でターゲットとする遺伝子の複数の部位のメチル化の変化が認められていたため、培養系でサンプル数を増やして検証を行ったが、通常培養系・石灰化培養系の両者で培養期間によるメチル化スコアの有意な差は認められなかった。他の研究者らが抜去歯と年齢との相関を報告しているELOVL2についても同細胞で継代数の増加に伴うメチル化スコアの増加が確認されなかった。使用した細胞株は培養開始時点でのメチル化スコアが抜去歯検体の60歳代よりも大きく、抜去歯検体で確認されるのと同様の大きな変化を確認することが難しかったものと考えられた。 抜去歯検体については、検体数を増やした上でメチル化スコアの測定に加えて歯を植立していた歯槽骨の吸収、喫煙習慣、コーヒーの日常摂取の有無の情報を追加し、実年齢との関連について検討を行った。その結果、ターゲットのメチル化スコアに加えて歯槽骨の吸収程度も年齢との関連を認めた。一方で、歯槽骨吸収の有無、喫煙習慣の有無、コーヒーの日常摂取の有無それぞれでターゲットのメチル化スコアに有意な差は認めなかった。 以上のことから、今回検証を行ったターゲットについてメチル化スコアは「歯槽骨吸収」「喫煙習慣」「コーヒーの日常摂取」の影響を除外しても加齢とともに増加することが明らかとなった。一方で、今回の細胞株を用いた検証ではセメント質の石灰化の進行とメチル化スコアの関連について有意な影響を確認することが出来なかった。
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