研究課題/領域番号 |
21K10259
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
大迫 文重 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10398406)
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研究分担者 |
足立 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10613573)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔粘膜炎 / 細胞老化 / カルテノイド |
研究実績の概要 |
化学療法では不可逆的な増殖停止を示す老化細胞に誘導されることが知られている。この細胞の老化により、口腔粘膜ではDNAの損傷並びに活性酸素が産生される。続いて、口腔上皮細胞からIL-1βやTNFαなどの炎症性メディエーターが産生される。これらの炎症性メディエーターは細胞死を誘導することにより上皮細胞を脱落させ、潰瘍を形成する。化学療法では不可逆的な増殖停止を示す老化細胞に誘導されることが知られている。この細胞の老化により、口腔粘膜ではDNAの損傷並びに活性酸素が産生される。続いて、口腔上皮細胞からIL-1βやTNFαなどの炎症性メディエーターが産生される。これらの炎症性メディエーターは細胞死を誘導することにより上皮細胞を脱落させ、潰瘍を形成する。さらに、抗がん剤治療や骨髄移植は免疫力を低下させるため、口腔内の細菌・ウイルスによる日和見感染を引き起こし、これが口内炎の発症および憎悪の要因となる。抗酸化作用を有するβ-cryを利用して、細胞老化の観点から口腔粘膜炎の予防・治療薬としての可能性について検討する。 OMK(ヒト口腔上皮正常細胞)に対して抗がん剤、b-cryを作用させ、in vitroでSenescence Associated β-galactosidase活性を確認し、b-cryの抗老化作用を明らかにする。また、細胞老化に関与する遺伝子は細胞内外のストレスにより活性酸素種(ROS)が産生されることで、発現が誘導される。ROS蛍光測定キットを用い細胞内のROSの蓄積を確認し、b-cryが酸化を抑制するかを検討する。次に、ROS シグナルの下流分子であるp16 、p53の発現をreal time RT-PCRで確認し、b-cryが遺伝子レベルで老化を抑制するかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
b-cryによる抗炎症効果は確認できた。一方で、放射線照射や歯周病原菌を作用させた場合の検討に至らなかったため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
OMF(ヒト口腔粘膜線維芽細胞)に対して、抗がん剤、放射線照射、b-cry処理、さらには歯周病原菌を作用させ、in vitroでSenescence Associated β-galactosidase活性を確認し、b-cryの抗老化作用を明らかにする。また、細胞老化に関与する遺伝子(p16 , p53など)は細胞内外のストレスにより活性酸素種(ROS)が産生されることで、発現が誘導される。ROS蛍光測定キットを用い細胞内のROSの蓄積を確認し、b-cryが酸化を抑制するかを検討する。次に、ROS シグナルの下流分子であるp16 、p53の発現をreal time RT-PCRで確認し、b-cryが遺伝子レベルで老化を抑制するかを検討する。サイトカイン(IL-1,IL-6)やケモカイン(IL-8)や 増殖因子(VEGF)、細胞外マトリクス分解酵素(MMP)転写因子(C/EBP-β や NFκ-B) の発現をウエスタンブロットで確認することで、b-cryの老化細胞における分子パスウェイを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が1円と少額であり2022年度請求助成金に合わせて使用する。
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