研究課題
我々は口腔外から舌の評価を行うため、舌機能時がオトガイ下表層部の硬さが変化することから、簡易型組織硬度計を用い、オトガイ下表層部の硬さと舌の機能との間に関係があると仮定した。そこで安静時と舌機能時のオトガイ下表層部の硬さの変化を検討し、更に最大舌圧との関連性を検討することを目的とした。健康な成人28名を対象とした。組織硬度計では、Frequencyは筋緊張、Stiffnessは筋肉の剛性、Decrementは初期状態への回復力、Relaxationは変形から初期状態へ戻る時間、Creepは時間と共に増加する変形量を測定している。参加者は座位にてオトガイ下中央部に組織硬度計センサーを設置し、安静時と5mlの水を舌で保持した状態(以下、水保持時)で測定を行った。舌圧は舌圧測定器を用いて最大舌圧の測定を行った。オトガイ下表層部の硬さは、安静時と水保持時の間にすべての項目で有意差が認められた。FrequencyとStiffnessでは水保持時が高く、Decrement、Relaxation、Creepでは水保持時が低かった。男女間では安静時のDecrement において有意差を認め、女性の方が高かった。安静時と水保持時ではオトガイ下表層部の筋肉の硬さが変化することが分かった。また安静時のDecrementで女性の方が高いことは、女性の方が皮下脂肪の厚みが多いためと考える。最大舌圧と水保持時のオトガイ下表層部の硬さの相関では、男性の水保持時のFrequencyとStiffnessにて負の相関が認められ、Relaxationでは正の相関が認められた。
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Dysphagia
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10.1007/s00455-024-10692-4.