研究課題/領域番号 |
21K10274
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
川畑 秀伸 帯広畜産大学, その他部局等, 教授 (20325864)
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研究分担者 |
村上 学 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30617436)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 初期臨床研修 / 外来診療 / 研修医教育 / インタビュー調査 / 探索的研究 / 臨床能力 / カリキュラム開発 / 医学教育 |
研究実績の概要 |
2004年に始まった初期研修医への必修化臨床研修は、病棟での研修が中心であったが、一般外来での症状から診断、治療に至る診療過程の研修の重要性から2020年より「一般外来診療研修」が加わった。この新たな研修が、如何に行われているかを探索的調査によって明らかにする。これは、医療が専門分化する中、高齢・長寿化を支える本邦の医療職の能力や人材育成の在り方の理解につながる。 合目的に対象者13名(平均年齢51歳;男性;研修医2名、指導医11名:小児科4名、内科3名、整形外科2名、精神科1名、耳鼻科1名)を選定し半構造化個別インタビューにて、一般外来診療研修の方法、課題、指導能力などを調べた。各々約60分を要したインタビューを録音し、データを活字化して内容分析を行った。 その結果、一般外来診療の研修は臨床研修の基本理念や到達目標に沿って実施されていた。目標達成とその際の困難点克服のために、指導医は、次に示す課題認識と教育、臨床、態度の視点から自らの能力をとらえ指導にあたっていた。1)外来診療研修の方法:指導医の見学、診察、提示、フィードバック(研修医の面接に始まり薬の処方に終わる一連の診察を基本として、症例の難易度や研修医の能力に応じて診療の一部を指導医が行う)。2)重視している内容・方法:重症度把握、臨床推論、意思疎通や対話、指導内容の絞り込み、フィードバック、経験的知見と医学的根拠、患者中心の医療、社会人としての態度。3)課題点:診察を観察できない、研修医の意欲。4)指導医に求められる能力:①教育的態度と技法(成人教育理論や指導方法を用いて、研修医の意欲を引き出しながら外来診療初学者にあった内容を効果的に指導する能力)、②臨床能力(最新の医学的根拠と十分な経験に裏付けられた臨床能力)、③人間性(良好な対人関係を築くことができ、職業意識と自らの医療観を認識して教育に反映させる能力)。
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