研究課題/領域番号 |
21K10284
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
笠原 正登 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50393351)
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研究分担者 |
五十川 雅裕 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 助教 (30896733)
笠間 周 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80743385)
浅田 潔 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50311410)
井上 隆 奈良県立医科大学, 医学部, 特任講師 (00783044)
鈴木 渉太 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00830770)
小津 有輝 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 助教 (20910277)
仲川 孝彦 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (60641595)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腎機能予測 / アプリ開発 |
研究実績の概要 |
治療介入及び生活指導を目的としたアプリ開発を目的とする。腎機能に影響を及ぼす因子を特定し、腎機能(eGFR)を算出するアルゴリズムを確定し、ホート データを用いてその精度を調べる。特に近年CKDの原因になりやすいメタボリック症候群の患者を中心にデータを集積し検討した。 実臨床において医学的指導を成功させるためには、患者の納得を得て介入教育や治療を維持継続することが重要であるが、このためには「介入におけるリスクス コアの妥当性」が必要であるだけでなく、他のコホート集団でのデータを用いた数式の微調整、および、実臨床での精度の確認が必要で、ある因子・検査値が予 定した目標数値だけ改善したら、期待どおり腎機能(eGFR)が改善されているのかを示す必要がある。 本年度のこの研究の目的は将来における実際の腎機能変化割合%ΔeGFRと予測値との比較検討し、その整合性を評価することにある。本年度は昨年度出した数式;1年後のeGFRの変化の割合(%)=0.030+ 0.923×(第1主成分)-3.292×(第2主成分)-5.062×(第3主成分)-4.978×(第4主成分)+2.635×(第5主成分)-2.896×(第6主成分)に対して実際のデータを用いて同一患者の将来予測値とどの程度一致するかを検討している。次年度には残る症例データを用いて解析を終了し、予測値の修正を終え、実臨床にて臨床応用に移行する予定である。最終的には実臨床において将来の予測がアプリの予測とどの程度一致するかを検討し、可能であれば微調整を図り臨床応用可能なレベルに向上させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゴリズムに対してのバリデーションを目的に患者データを検証中である。検証後には独立した時期の検査データを用いて予測値の正確性の検証を行い、実臨床での応用が可能かを検討できる段階に差し掛かりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
この研究の目的は将来における実際の腎機能変化割合%ΔeGFRと予測値との比較を検討するものである。今回試作・開発したアプリをもとに算出した未来の腎機能予測値が正確性をもって再現できるかが研究成否の鍵となる。現在バリデーションを実施中であり、計算式が誤差許容範囲内に収まるように係数調整をする。その後、実臨床にて予測値を示すことで患者指導アプリとして使用可能かを検討する。 臨床ではまず、生活指導・薬剤介入を行うことによる腎機能(eGFR)改善効果について評価・検討を行う。開発したアプリで用いる計算式はあくまで観察研究における結果のため、介入を行った場合でも同様の変化・改善が期待されるが、その妥当性・有用性は未知である。実臨床において実際の患者に対してアプリより導き出された介入による腎機能変化割合%ΔeGFR とアプリの推定との比較検討し、開発したアプリの評価をおこなう。 今後の予定として予測値に修正を加えアプリを試作する。最終的には実臨床において将来の予測がアプリの予測とどの程度一致するかを検討し、可能であれば微調整を図り臨床応用可能なレベルに向上させる予定である。メタボリック症候群の患者のみならず、その他の疾患対して応用できるかどうか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリ開発外部発注に必要な経費を本年度は経常出来ていませんでした。アプリのアルゴリズム決定後速やかに発注する予定です。現時点での残高はそのための資金です。
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