研究課題/領域番号 |
21K10292
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
内藤 徹 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10244782)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 医療経済 / 医療費 / 予防介入 / Quality of Life / コスト効果分析 |
研究実績の概要 |
歯周病と糖尿病、口腔ケアと肺炎など、さまざまな病態に口腔の健康が関与していることが明確になってきた。また、歯科的な介入が全身の健康の維持・回復に寄与する可能性が次第に明らかになってきている。しかし、歯科的な介入が全身の健康に及ぼす効果についての医療経済学的な分析はほとんど行われておらず、口腔の健康を維持することが本当に総医療費の低減につながる可能性があるのか、あるいは歯科治療に随伴するわずかな効果なのか明確になっていない。今回の研究の目的は、肺炎、糖尿病、脳血管疾患、冠動脈疾患、総死亡などの諸指標をアウトカムとした際の歯科的な介入の効果を医療経済学的に分析し、歯科治療に投入した医療費が全身の健康の維持にどの程度寄与するかを検証することにある。 今年度においては、まず誤嚥性肺炎の予防に関する口腔の関わりについての検討を行った。徒手的なリハビリテーションや口腔ケア、各種の薬物や電気刺激などの誤嚥を予防するための方策について検討を行い、システマティックレビューを実施した。 また、歯周病と糖尿病の関わりについて、全身の健康にどのように関与しているかの検証を文献レビューによって実施している。 さらには、歯周病の再生療法の効果について、文献レビューによる効果判定を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯科的な介入・口腔に対する介入が全身疾患や健康に影響を及ぼすかどうかの検討を行った研究については、研究代表者の内藤らは平成16-17年度8020推進財団研究「口腔の健康と周産期の問題(早産・低体重児出産)の関わり」、平成17年度8020推進財団研究「口腔と全身の健康状態(歯周病と骨粗鬆症)に関する海外文献調査」、平成21年度厚労科研「介護予防に関する科学的知見の収集及び分析委員会」等において、文献収集を試みている。文献検索については、これらの先行研究をもとに、同様な検索式を用いて経時変化を追跡する。ただし、収集した文献については質の評価が必要であり、これについては研究分担者と独立した状態で、GRADEシステムによるエビデンスの質の評価を行うものとする。
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今後の研究の推進方策 |
収集した文献をもとに、どのアウトカム指標を使用した際に、効果的な分析ができそうかという判断を行う。たとえば糖尿病ならば、血糖値、HbA1c、合併症の発生などが主たるアウトカムとして用いられているが、歯科介入による影響を検討した文献にこれらすべてのアウトカム指標が提示されているわけではない。このため、介入研究ごとにアウトカム指標に対する効果を抽出する必要がある(GRADEシステム)。統合に使用可能な指標が決定したら、その指標をアウトカム指標として、再度データの見直しと抽出を行う。 さらには、保険医療として実施された場合のコスト効果について分析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の状況において、他施設や関連学会への出席がかなわなかった。 今年度においては状況の改善を期待し、関連情報の収集に努める。
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