研究課題/領域番号 |
21K10308
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
牧野 好倫 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50728665)
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研究分担者 |
鍵山 智樹 埼玉医科大学, 国際医療センター, 薬剤師 (10899652)
武藤 香絵 城西大学, 薬学部, 助教 (30398557)
眞壁 秀樹 埼玉医科大学, 大学病院, 薬剤師 (30899638)
土肥 大典 埼玉医科大学, 国際医療センター, 薬剤師 (30899654)
藤堂 真紀 埼玉医科大学, 国際医療センター, 薬剤師 (40859922)
田中 寿々香 埼玉医科大学, 国際医療センター, 薬剤師 (70899640)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ファーマシーテクニシャン / 薬学教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、国際病院評価機構(Joint Committee International;JCI)の基準に即した薬剤部門業務に照らし、ファーマシーテクニシャン制度の創生並びに新たな薬学教育の制度設計に関する研究を行うことを目的としている。 今回の研究では以下の評価項目を設定し、On the Job Training(OJT)並びにe-ラーニングと実践に即したComputer Based Testing(CBT)による座学を合わせて、薬学部の学生に就労を兼ねて教育を与えることがJCI基準の高度医療機能を持つ病院の薬剤部門業務に影響を及ぼすか、また、薬学教育にはどのような成果を上げることができるかを探索する。 主評価項目:薬剤部インシデントの軽減 副次評価項目:Quality Indicator(QI)目標の達成割合の向上、学生アルバイト、薬剤師、大学教員の満足度調査 令和3年度は、研究計画書を作成し、埼玉医科大学国際医療センター臨床研究IRBで承認された。また、CBT、eラーニングのコンテンツ作成に着手した。これらコンテンツ作成にあたり、学校法人医学アカデミーと共同研究契約を締結し、ツール開発を開始した。それまで、研究者間でeラーニング動画コンテンツの作成を行っていたところであるが、医学アカデミーよりロードマップの作成、全体像の設計図の構築を打診され、本開発に関する作業工程の設計図を作成することとなった。設計図は構築完了した。これまで、3回ほどMTGを繰り返しロードマップからマイルストンを引き直し、次年度に向けて(3年間の研究計画を基に)改めてコンテンツ作成の手順を整理し、CBT、ドリル、eラーニングのそれぞれのコンテンツ作成に着手することになった。 さらにOJTに必要な米国のpharmacy technicianのための抗がん剤調製用トレーニングキットを取寄せ、テストを開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CBT開発等において、医学アカデミーの協力を得ることが可能となったが、そのための契約に時間を要した。3月末にはコンテンツの作成がβ版で完了する予定であったが、3か月程度の遅れを想定している。契約は滞りなく締結するに至っているので、急ピッチでコンテンツの作成に取り掛かっており、次年度(令和4年度)中には遅れを取り戻せると考えている。併せて、chemocheck(抗がん剤調製用トレーニングキット)の海外輸入において、COVID-19の影響を受け、納品に時間がかかった。こちらはすでに納入ができたので、速やかに症例登録に移行予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度中に医学アカデミーとの共同研究契約締結に至っており、3回ほどwebによる会議を行った。これにより、作業工程に関する整理がつき、明確なロードマップを作成することもできた。さらには、コンテンツ作成のための章立て、項目立てといった企業ノウハウを得るに至り、今後はマイルストンを置いて逸脱することのないように進めることができる。遅れに関しては方針を変更し、作成予定のコンテンツについて、段階を設け、第一弾が完成したら研究協力者を募り実行していただくというスタイルにすることで、コンテンツ作成と並行して実際のデータを取得することでカバーする。現在、インシデントデータの収集カテゴリーと、今回開発中のコンテンツの設計はマッチさせていることから、取得するデータへの影響はなく、研究への影響はないものと考える。よって令和4年度中には遅れを取り戻し、軌道に乗せることができると考えている。 一点、予定しているOJTに使用するchemocheckは、米国の生産業者が製造を中止している。試験開始当初の分は購入済みであるが、継続したトレーニングを行うためには、別の企業の同様のキットを探すか、国内で製造していただける企業を探す必要がある。次年度早々にはこちらについて検討を開始したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
CBT制作費用を予定していたが、医学アカデミーとの共同研究が成立したことで、医学アカデミーのノウハウやツールを利用する方向で話がまとまり、より充実した開発とすることができる。また、医学アカデミーとの共同研究により、開発したコンテンツは広く利用が可能となることも想定され、本研究成果がより一般化しやすいと考え、開発費を一旦凍結し、次年度に医学アカデミーとの共同開発費に充てることを検討している。従って今年度中には予算の執行を控えたところである。
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