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2021 年度 実施状況報告書

薬局を拠点とする包括的な認知症支援体制の構築とその効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K10316
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

恩田 光子  大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (60301842)

研究分担者 福森 亮雄  大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00788185)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード認知症 / 介護負担 / 服薬介助 / 薬剤師 / 服薬支援
研究実績の概要

認知症患者の家族介護者(以下、介護者)の介護負担の内容及びその関連要因を把握することを目的として調査を行った。対象は、認知症患者の介護を行う家族・親族100名とし、2021年11月12日(金)~11月17日(水)にWeb調査を実施した。主な調査項目は、認知症患者の属性(性別、年齢、認知症の種類、内服薬の種類数及び1日の服用錠数)、介護者の属性(性別、年齢)、介護負担度(Zaritの日本語版介護負担尺度22項目、以下「J-ZBI」)、服薬介助への負担感(「非常に負担」「どちらかといえば負担」「どちらかといえば負担でない」「負担でない」の4段階尺度)、服薬介助で困ることの有無(「常にある」「時々ある」「ない」の三段階尺度)とその内容(複数回答可)、介護者の服薬確認方法、服薬介助に要する最長時間とした。
認知症患者の属性は、女性:64%、平均年齢:84.1歳、認知症の種類はアルツハイマー型が49%を占め、内服薬の平均種類数は4.0、1日の平均服用錠数は5.8であった。介護者の属性は、女性:56%、平均年齢:55.9歳で、J-ZBI合計スコア平均値は35.5点(やや中等度の負担度)で、中等度以上(41~88点)が41%を占めた。服薬介助への負担感は、「非常に負担」「どちらかといえば負担」を合わせて33.8%を占め、服薬介助で困る状況は、「常にある」「時々ある」を合わせて54.0%、具体的には「服用忘れ」:51.9%、「服用拒否」:33.3%、「嚥下困難」:29.6%と続いた。介護者の服薬確認方法は、「飲み終わるまでそばにいて確認」が59%、服薬介助に要する平均最長時間は10分、5分以上が60%を占めた。今後、介護負担感と服薬介助との関連について精査する。
本調査の結果は、次年度予定している、薬局で実践可能な「認知行動療法に基づく介護者支援のためのプログラム」を開発に反映させる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Web調査について
当初予定していた調査の実施に際して、設定した検証仮説に基づく先行研究レビューを事前に行い、研究デザイン及び調査項目の設定を迅速に行ったことにより、研究倫理審査委員会の承認を速やかに取得できた。また、調査委託先との綿密な打ち合わせにより、調査協力者を迅速に確保し必要なデータを取得することができた。

今後の研究の推進方策

今後の課題として、①認知症患者の家族介護者(以下、介護者)の介護負担と薬物治療上の問題(服薬介助の負担感を含む)との関連について明らかにし、抽出された要因への対応手法の検討、②薬局における介護者-薬剤師間のコミュニケーションを通した介護者支援の手法構築が必要である。具体的には、本年度実施した調査結果をどのように研修プログラムに反映させるかを含め、プログラムの開発及び、当該研修プログラムの効果検証手法の決定である。それらの目的を達成するためには、研修のパイロット実施が不可欠であり、協力者を確保することも課題である。現在、協力薬局をより多く確保するため、研究概要の説明会や情報交換会を計画している。
上記と並行し、薬局を起点とした、認知症の早期発見⇒地域包括支援センター(以下‘センター’)への連絡⇒センターによる介入⇒早期の診断・治療・支援という連携体制の構築とその有用性の評価について、関係者との協議を進めている。

次年度使用額が生じた理由

調査に係る経費が見積額より低く抑えられたため、次年度以降に予定している研修プログラムの開発及び研修の実施に係る諸経費に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 認知症患者の介護者における介護負担感と服薬介助の関連2022

    • 著者名/発表者名
      木科早瑛、前田初代、福森亮雄、恩田光子
    • 学会等名
      第24回医薬品情報学会総会・学術大会

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公開日: 2022-12-28  

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