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2022 年度 実施状況報告書

薬局を拠点とする包括的な認知症支援体制の構築とその効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K10316
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

恩田 光子  大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (60301842)

研究分担者 福森 亮雄  大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00788185)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード認知症 / 薬局 / 薬剤師 / 多職種連携 / 地域包括ケア
研究実績の概要

今年度は、テーマを2つ設定した。1つは、「薬局と地域包括支援センター(以下、センター)の連携による認知症早期発見プロジェクト」の構築とその有用性評価である。当初、薬局を起点とした、認知症の早期発見⇒センターへの連絡⇒センターによる介入⇒早期の診断・治療・支援という連携体制の構築を試みたが、最初から認知症に特化すると、相談事例の掘り起こしが難しいことが判明した。そこで、協力地域の薬局、行政、センター関係者と協議し、薬局を「高齢者の総合相談の窓口」として機能させ、センターと情報共有することにより、要援護高齢者に対する医療・介護の連携体制を構築し(「薬局・包括連携ねっと」と命名)、それを通して認知症への対応力を強化することにした。その結果、当該地域の10か所の薬局からセンターへ9例/年の介入依頼があり、うち4例が認知症事例であった。
もう1つは、認知症患者を介護している家族介護者(以下、認知症家族介護者)を支援するスキルを薬局薬剤師が修得するための研修プログラム(START-PharmD)を開発し、その有用性を確認した。STARTは、英国ロンドン大学で開発された、認知症の周辺症状BPSDへの対応方法、患者への上手な接し方、介護者自身のストレスマネジメントなど、認知行動療法をベースにした認知症家族介護者への支援プログラムである。START-PharmD:START for PHARMacist to support Dementia patient and caregiver」は、STARTを参考に、薬局や在宅で薬剤師が服薬指導や相談対応時に、介護者の心理的な不安や負担を軽減できるようなコミュニケーションスキルを学ぶ。参加者は4回コースで18名、うち研修前後のアンケートデータが揃っている6名について、研修の有用性を検証した結果、いずれも他者へ受講を推薦するなど高い評価を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目までに予定していたテーマについては、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

最終年度(3年目)に実施を予定している介入研究について、薬局が繁忙なため、プロトコルの簡便化、協力薬局の確保に若干時間を要しているので、検討を急ぎたい。

次年度使用額が生じた理由

当初支出を予定していたアウトリーチ活動(例:認知症カフェ、健康フェアなど)が、コロナ対策のため中止されたことなどに伴い、実支出額が予定額を下回った。今年度は、追加調査の実施、データ解析に使用するソフトウエア、学会発表に伴う旅費などの用途に使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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