研究課題/領域番号 |
21K10317
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
渡邊 佳代 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 教授 (80550912)
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研究分担者 |
樫村 菜穂 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 助教 (20837744)
三田 岳彦 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (60633865)
谷川 智宏 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (40368733)
阿南 誠 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 教授 (50518644)
秋山 祐治 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 教授 (10596000)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ICD-11 / 標準病名マスター / ICDコーディング / eラーニング |
研究実績の概要 |
ICD-11は、病名コードの一覧であったICD-10から、疾病概念を含む臨床現場に即した情報体系へと進化し、今後、臨床研究や政策立案への活用が期待されるが、患者の状態を正確にコーディングできなければ、誤った分析、誤った判断へと導く可能性がある。しかし、ICD-10においてもコーディングの精度は決して高いとはいえず、ICD-11の新しい概念やルールにより、コーディング精度がさらに低下することが懸念される。そこで、本研究では、わが国のICD-11コーディング導入に向け、正確で精度の高いコーディングが効率よく行える「ICD-11ガイドシステム」を開発し、Web上に公開することを目的としている。 開発するシステムは、①ICD-11の体系やコーディングルールについてICD-10からの変更点を中心に効率よく学習できる機能と、②ICD-11コーディングが効率よく行える機能を有するものとして準備を進めている。今年度は、①について「ICD-11 Reference Guide Part1」の和訳案を作成した。②については、電子カルテシステム等で広く活用されているMEDISのICD-10対応標準病名マスターに収載されている病名や修飾語のICD-11コードデータベースを構築するために、ICD-11コードとそれぞれのコードに対する分類名等の情報を約47%生成した。また、システム開発用のMoodleサーバを学内に構築し、①・②の機能を有した「ICD-11 ガイドシステム」のコンテンツを開発中である。システムが完成した段階でWeb上に公開し、実際の現場でICD-10コーディング業務を行っている方を対象に、システムの評価をしていただく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、システムに用いる情報の生成を中心に研究を実施した。まずMEDISのICD-10対応標準病名マスターの「病名基本テーブル」の傷病名は、約26,500件中約13,500件のICD-11コードとそれぞれのコードに対する分類名、分類判断基準等が生成できた。また、「修飾語テーブル」の修飾語は、約2,400件中約300件のICD-11コードとそれぞれのコードに対する分類名等が生成できた。「ICD-11 Reference Guide」はWHOのサイトにPart1~Part3が英語で公開されているが、Part1の和訳案が作成できた。 システム開発については、サーバを購入しMoodleのインストールとガイドシステムのコースが作成できた。次年度以降レンタルサーバ上に構築する環境と同等の環境構築が完了した。 以上の通り、システムに用いる情報の生成とガイドシステムの環境構築が予定通りに進んでいるため、順調な進捗であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
システムに用いる情報生成について、「病名基本テーブル」の傷病名約13,000件と、「修飾語テーブル」の修飾語2,100件のICD-11コード等の情報を生成する。「ICD-11 Reference Guide」のPart2~Part3について、ICD-10からの変更点を中心に和訳を行う。また、生成した情報についての検証も並行して行う予定である。システム開発については、購入したサーバのMoodle上にガイドシステムのコンテンツを開発すると同時に、レンタルサーバ上にガイドシステムの環境を構築し、システムの移設を行う。 システムの移設が完了した時点で、医療現場でICD-10コーディング業務を行っている方を対象に、「ICD-11 ガイドシステム」の講習会をリモートで開催し、システムを使用していただいた後にアンケート調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表がWeb開催となり旅費負担費用が節約できたため次年度繰り越し額が生じた。次年度は、本研究に関連した参加学会の数を増やすための費用として計画している。
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