研究課題/領域番号 |
21K10322
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小橋 孝介 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (50814034)
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研究分担者 |
山岡 祐衣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト助教 (20726351)
馬場 幸子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 母子保健情報センター・母子保健調査室・室長 (90532987)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子ども虐待 / 体罰 |
研究実績の概要 |
本研究で邦訳版を作成した、体罰場面を目撃した職員がどのように声がけを行い、どのような代替行動を取ればよいのかを示すことを技術として身につけ行動を起こすことが出来るようにするためのプログラムである「ノー・ヒット・ゾーン(NHZ)」を用いて、医療機関、行政機関におけるプログラム受講者への効果について前向き研究を行っている。効果研究においては、海外の先行研究で使用され、妥当性及び信頼性について確認されている 質問紙であるAttitude Toward Spanking Questionnaire(ATS)を元に言語的妥当性を担保した翻訳版質問票を作成するための標準的な手順に従い我々が作成した「子どもを たたくことについての質問票13項目版(ATS13-J)」を用いている。今年度は受講から1年までのデータについて収集、解析を行った。 今回の調査では、1年前に受講した41名中24名が回答した(回収率58.5%)。ATSのスコアの中央値は受講前=19(13.5-26.5)、受講後6か月=13(13-14)、今回の調査である受講後1年=14.5(13-21)だった。受講前と比べ受講後6か月(p=0.003)、受講後1年(p=0.005)ともATSのスコアは有意に低下していた。受講後6か月と比べ受講後1年(p=0.2)は有意な変化は認めなかった。実際の体罰場面における行動については、受講前から受講後6か月では全く行動を起こさなかった者は有意な変化は認めなかった(p=0.2)が、受講後1年では有意に低下していた(p=0.03)。 NHZの受講によって、体罰に対する肯定的な意識は低下しその後も維持されることが示唆された。また、体罰場面における行動についてはやや遅れて変化しており、この傾向がその後も維持されるのかについては次年度も行う予定である経過調査で明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染の流行により、開催予定であったプログラムが開催出来ず、データが収集出来なかったため、作成予定であったe-learningコンテンツが作成出来なかった。過去の受講者の長期経過については、調査を続けている。研究期間を延長し、遅れているプログラムの検証研究を行う。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はプログラムの効果研究を進めていく。併せて、プロ グラムのe-learningのコンテンツ作成、評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定であったe-learningコンテンツの作成が行えなかったため。
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