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2021 年度 実施状況報告書

脳卒中患者における医療の質の妥当性の検討とデータベース構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K10330
研究機関九州大学

研究代表者

松尾 龍  九州大学, 医学研究院, 准教授 (60744589)

研究分担者 北園 孝成  九州大学, 医学研究院, 教授 (70284487)
鴨打 正浩  九州大学, 医学研究院, 教授 (80346783)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード医療の質 / 疫学 / 脳卒中
研究実績の概要

医療の質の評価指標であるQuality Indicator(QI)は、脳卒中領域においても適切な医療提供体制の再構築のために活用されているが、医療の進化とともにその質の評価も変化することが予想される。そのためQIの妥当性は適宜行われる必要があるとともに持続的に評価できる仕組みとしてデータベースの構築が欠かせない。われわれは2007年より急性期脳卒中の登録事業を行い、脳卒中診療におけるエビデンスの構築ならびに医療の質の向上に寄与してきた。本研究では、大規模脳卒中登録研究を電子カルテ情報やDPC情報と突合させたデータベースを構築することで、持続的な医療の質の評価とその妥当性の評価を実現させることを目的とし、脳卒中診療における持続的な医療の質の改善とともに、脳卒中診療の最適化をめざしている。
大規模脳卒中登録研究である、福岡脳卒中データベース研究は、福岡県下の7つの脳卒中専門医療機関で共同で行っている前向き登録研究である。本年度は、福岡脳卒中データベースのデータ整備を行った。データベースには急性期脳卒中患者17074名が登録されている。登録患者のデータ収集は、専門の臨床研究コーディネーターにより入力項目を標準化したうえで行った。予後の追跡情報は、脳卒中の予後調査に関して専門的な知識を有する臨床研究コーディネーターにより情報収集しており、追跡率は89%に及んでいる。現在、用いられているQIの項目についてデータのクレンジングを行い、今後の解析に向けて準備を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

福岡脳卒中データベース研究における患者登録は2007年6月から2019年9月末までを対象として実施し、データを固定した。また、脳卒中専門の知識を有する臨床試験コーディネーターとともにデータクレンジング、追跡予後情報の追加収集、イベント評価委員会によるイベント判定を継続的に行った。妥当性のあるQI項目についてデータの整備を行うとともに、適切な研究デザイン、研究方法について検証している。データ分析を行うための、データの質の担保ならびに適切な研究方法について吟味を重ねており、順調な経過であると考えられる。

今後の研究の推進方策

臨床データはすでに収集できてはいるが、現時点でもさらなるデータの質の向上のためにクレンジングをおこなっており、引き続き継続する。次にQOLの測定の評価を行うとともに、各医療機関における電子カルテ情報ならびにDPCデータとの突合により、詳細な情報を入手する。

次年度使用額が生じた理由

年度末に開催される日本脳卒中学会学術総会に関連研究課題を発表し意見交換をおこなう予定であったが、データのクレンジングに伴い作業に時間を要し、研究成果を次年度の学術総会において発表することとなったため、次年度使用額として計上することとした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)

  • [雑誌論文] Day-by-Day Blood Pressure Variability in the Subacute Stage of Ischemic Stroke and Long- Term Recurrence2022

    • 著者名/発表者名
      Fukuda K, Matsuo R, Kamouchi M, Kiyuna F, Sato N, Nakamura K, Hata J, Wakisaka Y, Ago T, Imaizumi T, Kai H, Kitazono T; FSR Investigators.
    • 雑誌名

      Stroke

      巻: 53 ページ: 70-78

    • DOI

      10.1161/STROKEAHA.120.033751

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sex Differences in the Risk of 30-Day Death After Acute Ischemic Stroke.2021

    • 著者名/発表者名
      Irie F, Matsuo R, Nakamura K, Wakisaka Y, Ago T, Kamouchi M, Kitazono T; Fukuoka Stroke Registry Investigators.
    • 雑誌名

      Neurol Clin Pract.

      巻: 11 ページ: e809-e816

    • DOI

      10.1212/CPJ.0000000000001087

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regional Disparity of Reperfusion Therapy for Acute Ischemic Stroke in Japan: A Retrospective Analysis of Nationwide Claims Data from 2010 to 2015.2021

    • 著者名/発表者名
      Maeda M, Fukuda H, Matsuo R, Ago T, Kitazono T, Kamouchi M.
    • 雑誌名

      J Am Heart Assoc.

      巻: 10 ページ: e021853

    • DOI

      10.1161/JAHA.121.021853

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficacy of combined use of a stent retriever and aspiration catheter in mechanical thrombectomy for acute ischemic stroke.2021

    • 著者名/発表者名
      Okuda T, Arimura K, Matsuo R, Tokunaga S, Hara K, Yamaguchi S, Yoshida H, Kurogi R, Kameda K, Ito O, Tsumoto T, Iihara K, Mizokami T, Uwatoko T, Nishimura A, Iwaki K, Mizoguchi M; QNET investigators.
    • 雑誌名

      J Neurointerv Surg.

      巻: neurintsurg-2021-017837 ページ: -

    • DOI

      10.1136/neurintsurg-2021-017837

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ホイ-Cell Function and Clinical Outcome in Nondiabetic Patients With Acute Ischemic Stroke2021

    • 著者名/発表者名
      Kiyohara T, Matsuo R, Hata J, Nakamura K, Wakisaka Y, Kamouchi M, Kitazono T, Ago T; FSR Investigators.
    • 雑誌名

      Stroke

      巻: 52 ページ: 2621-2628

    • DOI

      10.1161/STROKEAHA.120.031392

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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