研究課題/領域番号 |
21K10332
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
岡本 左和子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20721385)
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研究分担者 |
杉浦 弘明 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (50524203)
今村 知明 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80359603)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 研究倫理審査 / ヒアリング調査 / アンケート調査票作成 / パイロット調査 / 分析の妥当性の検討 |
研究実績の概要 |
本研究は、退院支援に関して在宅医療・介護職の視点から困難事例の要因を明らかにし、その要因の改善のためのコミュニケーション・ツールの開発、実践での確認、評価を大目的としている。それを踏まえて、在宅医療・介護職からの課題を調査・整理し、病院医療職とのギャップに気づき、それを埋めるようなコミュニケーション・ツール(コミュニケーション・モデル等)の開発に取り組むことを具体的な目的である。令和3年度は、第一次調査とアンケート調査票の作成(令和3年4月~令和4年3月)を予定をしていた。先行研究でも今回のヒアリング調査でも、研究者が考えていることとは異なる回答をもらうことができ、現場で働く方や現場を視察することは必要である。しかし、研究の倫理審査に予定以上に時間がかかったことと、コロナ禍で第一次調査であるヒアリング調査の実施があまり順調に進まず、ヒアリング調査を書面でのやり取りに変えるなどの必要性がでたため、実施予定が少し遅れた。しかし、下記の進捗状況に示す通り、遅れた分は8月中に取り返すことができる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度末の状況は、倫理審査が終わり、研究の承諾を得た。平成30年と令和元年の先行研究から在宅医療・介護職からの回答及び分析結果に基づいて、アンケートの項目などの抽出を行うため、対面で意見を集めることを念頭に置いていた。そのため、コロナ禍で研究が少し遅滞した。しかし、書面でのヒアリング調査に切り替え、各在宅医療・介護職の方々が時間があるときに、資料に目を通してもらって回答する方式に切り替えたため、調査も順調に進み予定回答数より多い31件の意見を聞くことができた。3月末までにヒアリング調査の結果を集計し、アンケート調査票の作成に取り組み始めた。
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今後の研究の推進方策 |
今のところ、アンケート調査票の作成とパイロット調査(30件以上)の実施は令和4年5~6月中に終え、アンケート調査は令和4年6~7月には実施できる予定である。アンケート調査を実施する手配はすでに終えており、アンケート調査作成と目的に沿った結果を得るための分析の妥当性の検討、パイロット調査の結果を踏まえて、再度アンケート調査票を見直し、実施する予定である。よって、令和3年度の遅れは、8月中には取り返すことができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度はコロナ禍の影響により、県境をまたいでヒアリング調査に出かけることができなかった。オンラインでヒアリングを実施することはできるが、現場を見ながら質問をしたり、日常で困っているが何とかやっているが在宅・介護職があまり気づいていない点などを視察したいと考えていた。そのためコロナ感染の動向を見ていたが、緊急事態宣言が解除されても、在宅・介護施設内に入ることができなかった。また、オンラインでの会議は大きな医療機関の在宅医療職なら準備が整っているが、小さな在宅医療・介護施設では多忙なこととオンラインでのやり取りのシステムが整っていないこともあり、ヒアリング調査の仕方で結果に差が出る可能性があった。そのため、先行研究でまとめたチェックリストを基に、書面で意見を聞いた。必要に応じて、質問などは電話とeメールで対応をしていただいた。これらの理由から、ぎりぎりまで現地に行くための費用を残していたため、347,059円の繰り越しとなった。この金額はアンケート調査の数を増やす、または質問を増やすなどで使用するか、コロナ禍の様子を見ながら、在宅医療・介護の現場に赴くときに使用する予定である。
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