研究課題/領域番号 |
21K10342
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
中田 はる佳 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 准教授 (10592248)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 研究倫理 / 患者・市民参画 / クラウドファンディング / PPI / 研究資金 |
研究実績の概要 |
前年度から実施している国内外のクラウドファンディング(Crowdfunding: CF)利用規約やガイドラインの調査とその結果の整理を継続した。加えて、CFの活用が医学研究への患者・市民参画(Patient and public involvement: PPI)に資するかどうかの検討に着手した。AMED PPIガイドブック(https://www.amed.go.jp/ppi/guidebook.html)では、医学研究・臨床試験を8つのステップに分け、そのいずれでもPPIは実施できると述べられている。このうち、STEP3には「研究資金の申請」が挙げられている。国内の様々なCFプラットフォームでは、主に研究者が中心となって研究資金を調達するためのプロジェクトが立ち上げられ、CFが研究資金調達の方法として活用されていることがうかがえた。CFが医学研究のPPIに資するかどうかという観点では、「研究資金の申請」へのPPIと、CFを通じた研究資金の調達と患者・市民の関わり方とを比較検討する必要がある。前者の例として、AMED PPIガイドブックには「研究者が作成した研究計画全体ならびに研究資金の配分について、数名の患者・市民が、研究者を交えたオンライン対話を通じて改善案を検討する」が挙げられている。他方、CFを通じた研究資金調達への患者・市民の関わり方として、1)寄付をする、2)研究者が主導するCFプロジェクトの運営に協力する、3)患者・市民がCFプロジェクトを運営する、などが考えられる。今後は、PPIの定義を考慮した上で、1)~3)の関わり方(あるいは、さらに別の関わり方もあるかもしれない)とPPIとの関連を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度途中に研究代表者の異動があり、研究環境の整備に時間を要したため、当初の予定から遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長し、来年度も本研究課題を継続することとした。前年度から行っているクラウドファンディングプラットフォームの規約の整理、PPIとクラウドファンディングによる研究資金調達との関連の検討を進め、本研究課題の成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、研究代表者の異動があり、研究遂行に遅れが生じたため研究期間を延長した。そのため、次年度にも使用額が生じた。次年度予算は、調査や成果発表のための学会参加・出張に用いる。また、成果物のまとめに予算を用いる。
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