研究課題/領域番号 |
21K10347
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野島 正寛 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00457699)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 特定健診 / 特定保健指導 / 行動変容ステージ |
研究実績の概要 |
今年度は、昨年度までに進められたNDBデータベース情報のデータクリーニングの段階を経て、統計ソフトウェアを利用した統計解析の段階に入っている。解析には大きな進捗があり、日本疫学会などの学術集会において結果の一部を公表した。公表内容は以下の通りである。
【統計解析】:個人内で繰り返し測定があるデータで、アウトカムを2年以内の翌受診時の検査値の変動、新規イベント発生を検討。[差の解析]:線形混合モデルにて年齢グループ、ベースラインBMI、各検査値のベースライン値、喫煙、飲酒を調整。[オッズ比の解析]:GEEにて年齢グループ、ベースラインBMI、各検査値のベースライン値、喫煙、飲酒、行動変容ステージを調整。【結果】:男性が特定保健指導(積極的支援)を受けた場合、ほとんどのメタボリックシンドローム関連指標(検査値)について、低下(HDLのみ上昇)との関連を認めた。女性は該当者が少なく(腹囲基準が緩いため)、結果にバラつきが見られるが、おおむね男性と同様の結果となっている。行動変容ステージ1から3の場合に効果が高い。動機付け支援においても同様の結果であった。また保健指導を受けた場合、降圧薬・血糖降下薬・脂質異常症治療薬の開始、心血管疾患、脳血管疾患の発症のいくつかについて負の関連が見られた。
現在論文作成を進めているが、データが極めて膨大であり、先進的な統計手法を適用しより有用な知見を引き出せる余地があるものと考えている。内容の分割や新規的手法適用によるデータの有効活用について模索している。新型コロナウイルス流行の影響もあり、データの入手が遅れたことから本研究においては、事業期間延長の申し出を行い承認されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要に記載した通り、研究の進捗は見られているものの、当初の新型コロナウイルス感染症流行の影響が大きくデータの入手が遅れている。事業期間の延長により、今年度中に論文投稿・掲載まで進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、これまでに学会発表を行った内容をベースに論文作成を進めている。おおむね順調に進んでおり、年度内に論文公表を終え、特定健診・特定保健指導のより精緻な評価研究の結果を社会に提供したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績および進捗状況にも記載した通り、厚生労働省もしくは業務委託機関内での手続きが遅延したことで、データの入手が遅れ研究遂行にも影響が出ている。そのため、次年度使用額が生じている。
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