研究実績の概要 |
糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病は、早期発見、早期介入が重要であり、無症状や受診負担のため、低受診率であり、手遅れになることが社会的問題になっている。AI健康アプリを用い、個人の行動変容を促進するというデジタル医療を確立してきた。 本研究では、このAIアプリをさらに改良し、Personal Health Record(PHR)だけでなく、AI、IoT、VR、5Gを活用した3Dオンライン診療法を導入、糖尿病、高 血圧症や脂質異常症などの重症化予防に係るエビデンスを証明し、新たなデジタル医療システムの構築を目的とすることである。2年目に135名を対 象に食事療法における前方視的介入(食べた食事を評価し介入という形でなく、食べる前に何を食べるかという介入)をタンパク質摂取量という観点からおこなった。平均-3.5kgの体重減少、糖尿病患者40名においてはHbA1c-0.5%低下という結果であり、この介入方法の有用性が確認できた。さらには、リアルタイムで血糖測定可能なリブレも導入し、新たな臨床研究を開始、25名で体重-2.4kgの体重減少、並びに体重減少の求めなかった8名でも、HbA1C,脂質異常の改善、肝機能(脂肪肝)の改善を認めた。令和6年1月の能登震災での避難者に対しても、活用され、炭水化物の多い配給弁当などの是正に役に立った。また、震災での避難所生活の人々に睡眠状況も把握でき有用であった。本研究でのAIアプリは、食事のカロリーならびに栄養バランス、運動量、睡眠の状況なども把握できたが、画像の3D化したものの実用化にはいあたらなかった。今後、継続して開発研究を行う予定である。
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