研究課題/領域番号 |
21K10353
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
川上 裕理 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (90407958)
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研究分担者 |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00256075)
中村 京太 大阪大学, 医学部附属病院, 特任教授(常勤) (00287731)
佐藤 仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70453040)
小松原 明哲 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80178368)
安部 猛 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (80621375)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プロジェクションマッピング / 視点解析 / 中心静脈穿刺 / 超音波ガイド / 作業負担軽減 |
研究実績の概要 |
研究計画どおり、まず、シミュレーターによる計測環境を整備した。視点解析ソフトウエアであるiMotionをPCとともに購入し、シミュレーターを用いて中心静脈を穿刺する際の視点の移動の解析が可能となった。最初の解析の対象として、中心静脈穿刺の経験がほとんどない初期研修医を対象として、パイロットスタディーを実施した。この中で、超音波画像の中心静脈穿刺術野への画像の適切な投影法を、角度や画像の大きさ、プロジェクターでの解像度の設定、超音波機器との接続ケーブルの適正など検討し、実施法を確立した。計測時の台の高さと被験者の身長との関係を確認し、台の高さを適切に設定しなくては、視点解析時に被験者の視点が、測定可能範囲から外れてしまうことが判明したため、台の高さを適切に変更可能な手術台を使用して、身長との関係から適切な高さを設定できるよう測定環境の設定を確立した。また、初期研修医を対象にしたパイロットスタディーにおいて、穿刺の状況を画像に収録し、中心静脈穿刺中の視点解析以外の副次測定項目における定義を確立し、穿刺の成功、穿刺回数、超音波画像の描出の質、合併症の発生についてシミュレーション研究での測定プロトコルを確立した。現在は、初期研修医を対象とした実際のデータを5例収集し、さらにデータ数の集積をおこなっている。また、計画通り対象者を広げ、より中心静脈穿刺に熟練している麻酔科医への測定の準備を始めている。また、実際の臨床でのデータ収集を開始するための準備として、麻酔科医の中で中心静脈穿刺の経験の少ない医師と、経験の豊富な医師の手技をあらためて画像で検討し、プロジェクションマッピングによる穿刺法開発の基礎データを整理している。実際に穿刺針をどのように扱っているのか、どのように超音波画像を利用しているのかを明らかにし、今後の研究を推進する基礎データを収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
測定台の高さにより、視点解析の測定範囲外に視点が外れてしまう事象が判明し、適切な手術台の高さの設定の重要性をあらためて認識し、測定環境の改良を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
初期研修医を対象としたシミュレーターでの検討でのデータ数を必要十分となるまで集積する。さらに、臨床での計測での前に、麻酔科医に対するシミュレータでの検討を追加し、基礎データとした上で、実際の臨床でのデータ集積へと移行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
視点解析装置の高額化と本研究における全体の交付金額の関係から、測定機器全ての購入は難しく、学内で古いタイプの測定機器を所持している部署からの借用と、新規の測定機器の購入とを組み合わせて研究を推進する方向性をとったため、当初より購入物品が少なくなった。また、実際の臨床測定に向け効率向上のため、測定機器の購入追加やレンタルの必要性も考え、予算の次年度使用とした。
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