研究実績の概要 |
川崎エイジング&ウェルビーイングプロジェクト(KAWP)のベースライン調査のデータを用いて多疾患併存と主観的な健康アウトカムとの関連を調査した。主観的な健康アウトカムとして主観的健康観(SRH; Self rated Health)と人生満足度(Statisfaction with Life Scale)を用いた。主観的健康観はその後死亡率と相関することがあり、多疾患併存の重要なアウトカム指標である。併存疾患数としては医師の問診により慢性疾患の有無を分類した。市中在住のADLが自立した85歳以上の高齢者において、併存疾患数とSRHの間には、年齢、性別、飲酒歴、喫煙歴、BMI、フレイル、IADLや教育歴、うつ状態と独立して相関関係を認めた。特に併存疾患群数が6を超えると主観的健康感が損なわれることが示された。一方で人生満足度と併存疾患群数との間には相関関係は認めなかった。疾患別で解析を行うと脳卒中、心疾患、呼吸器疾患、膠原病、関節痛が主観的健康観の喪失と有意な関連があった。疾患別の解析では、関節痛のみが人生満足度の低下と相関していた。 上記の研究成果は下記論文にて公開を行った。 Ando T, Nishimoto Y, Hirata T, et alAssociation between multimorbidity, self-rated health and life satisfaction among independent, community-dwelling very old persons in Japan: longitudinal cohort analysis from the Kawasaki Ageing and Well-being ProjectBMJ Open 2022;12:e049262. doi: 10.1136/bmjopen-2021-049262
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