研究課題/領域番号 |
21K10357
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 准子 順天堂大学, 医学部, 助教 (60542321)
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研究分担者 |
阿部 高志 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (00549644)
谷川 武 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80227214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日中の眠気 / 医学生 / 生活習慣 / 客観的眠気 |
研究実績の概要 |
医学生に対する睡眠衛生の改善は卒前教育のみならず、将来医師となった際に自身の健康確保につながるだけでなく国民への安心安全な医療サービスの提供の観点からも重要である。本研究は、医学生を対象に主観的ならびに客観的な指標を用いて日中の眠気と生活習慣との関連を明らかにし、医学生の睡眠・休養教育に資するエビデンスの提供を目的としている。 令和4年度(2022年度)は、初年度に実施した医学生を対象にした生活習慣と日中の眠気に関するWEBアンケートの集計ならびに解析を実施した。 回答のあったのは225名(男性55.2%、女性44.8%)、日中な過度な眠気(Excessive Daytime Sleepiness:EDS:ESSの合計点数11点以上を定義)については34.7%であった。 日本の地域住民を対象にした先行調査では20代のEDSの割合は男性10.8%, 女性11.5%であることから、医学生のEDSの割合が高いことが明らかになった。EDSを従属変数、各要因を独立変数として医学生のEDSに及ぼす要因について多変量調整ロジスティック解析を用いて検討した結果、多変量調整オッズ比(95%信頼区間)は運動後の疲れについて「あまり疲れない」を1.00としたとき「疲れる」は2.27(0.95--5.43)、「とても疲れる」は4.30(1.35-13.69)、睡眠の質は「良い」を1.00としたとき、「悪い」2.55(1.35-4.82)であった。さらに、睡眠の質に影響する項目について分析した結果、朝食、授業時間、プライベートのデジタルデバイス使用時間、ナイトモード使用に関連が認められた。 また、覚醒度テスト(Psychomotor Vigilance Task:PVT)、アクチグラフ(小さな時計型の加速度センサ)といった客観的な指標を用いた詳細な検証については、現在対象者を増やして調査実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はアンケートの集計・解析と共に、日中の眠気と生活習慣との関連について、覚醒度テスト(Psychomotor Vigilance Task :PVT)やアクチグラフ(小さな時計型の加速度センサ)といった客観的な指標を用いて検証を実施予定であったが、新型コロナウイルスの感染の影響で学生のリクルートが当初の予定より少なかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度(2023年度)は、引き続き客観的な指標を用いて医学生の日中の眠気と詳細な生活習慣との関連について検証のため、対象者数を確保する予定である。また医学生の日中の眠気と生活習慣との関連についてより詳細に分析し、国内外での学会発表・論文化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の予算で国内外の学会参加などの旅費に使用する予定が、新型コロナ感染症拡大のため実施できなかったため、当初予定の支出に至らなかった。 次年度に繰り越し、学会の参加費・旅費、物品購入費、人件費等に使用する予定である。
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