研究課題/領域番号 |
21K10358
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
羽多野 美香 昭和大学, 医学部, 助教 (60899673)
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研究分担者 |
村島 温子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期・母性診療センター, 主任副周産期・母性診療センター長 (00501678)
磯島 咲子 昭和大学, 医学部, 助教 (00750564)
矢嶋 宣幸 昭和大学, 医学部, 准教授 (70384360)
辻本 康 昭和大学, 医学部, 普通研究生 (20921919)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 全身性エリテマトーデス(SLE) / 妊娠 / 出産 |
研究実績の概要 |
診療の質の評価は、構造・プロセス・アウトカムの3つに分類されるが、医療の目的であるアウトカムを改善するためには、プロセスを改善させることが効果的と考えられている。欧米で診療の質を定量的に評価するツールとして用いられているQuality Indicator(QI)は、日本の膠原病領域では認知されておらず、海外や国内の他の領域に比し遅れをとっているのが現状である。本研究の目的である、日本ではじめての全身性エリテマトーデス(SLE)患者の妊娠・出産に関わるQI開発のために研究を計画し、実施した。 RAND/UCLA適切性メソッド(RAND/UCLA Appropriateness Method、デルファイ変法)を用いてSLE患者における診療の質指標の開発を進めた。RAND/UCLA法はQIの選出やエビデンスの質評価などに使用可能な統計手法であり、QI作成のみならずguideline作成のGRADEでも採用されている。評価の対象となる、SLE患者の妊娠・出産におけるQI開発論文およびガイドラインを検索式に従って論文抽出を行った。検索データベースはMEDLINE・EMBASEを使用した。その後、4名のリウマチ膠原病専門医によりtitle/abstractにてスクリーニングを行った後、full-text reviewを行った。最終的に抽出された論文から候補itemの抽出を行った。 また、今後開催予定のパネル委員会のために、膠原病内科、産婦人科、総合内科、腎臓内科の医師から構成される専門家パネル委員会を設置した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍であり、対面での専門家パネル委員会の開催目処が立たなかった。それに関しては、2022年6月にオンラインもしくは対面も併せたハイブリッド開催を予定している。 また、研究代表者である羽多野が、妊娠・出産したため、体調や産休にあたり各作業が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
専門家パネル委員によりQI候補リストを独立に評価して頂いた後(ラウンド1)、専門家パネル委員会を開催し(2022年6月開催予定)ラウンド1の結果が適切であるか議論する。議論後に再度独立に再評価して頂く(ラウンド2)。その結果を集計し、RAND/UCLA適切性メソッドを用いて、適切性の評価を行った上で、最終QIを選定する。 その後は、開発したQIを用いて、評価者が各施設にてカルテ閲覧を行い、①女性SLE症例におけるQIの遵守状況の確認、②SLE妊娠症例でのQIの遵守割合と妊娠合併症との関連を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に行う予定であった専門家パネル委員会がコロナ禍により開催できなかったため、委員会で使用する予定であった費用分の差額が生じた。2022年にパネル委員会を開催予定であるため、その際に設備費や物品費を使用する予定である。
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