研究課題/領域番号 |
21K10361
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
原田 芳巳 東京医科大学, 医学部, 准教授 (90317884)
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研究分担者 |
大滝 純司 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (20176910)
三苫 博 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (20453730)
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 臨床教授 (30246285)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 医療面接 / オンライン / 共感 / 模擬患者 / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
【研究の目的】臨床実習前後の医学生に行われる共用試験OSCEでも「共感していることを、言葉と態度で患者さんに伝える。」ことが評価される。我々は共感性の評価について多様な言語的・非言語的コミュニケーションが影響していることを明らかにした。情報通信技術の急速な進歩に伴って、オンライン医療面接での共感性の教育、評価基準の確立が急務と考えられる。医療面接で患者がどのような点で共感的と感じたかを、患者(模擬患者:SP)からの目線で対面の場合とオンラインの場合を比較し、明らかにする。 【方法】臨床実習中のSP参加型医療面接実習では、各実習グループにつき2名ずつが医療面接で医師の役を担当している。2021年は本実習をオンラインで行った。この実習における学生の医療面接の内容の関するSPの感想について検討を行った。実習終了後に半構造化面接を行い、さらに質問紙調査の自由記載を用いて、対面と異なりオンラインならでは気づいた点を調査した。質的内容分析法に従い自由記載と面接内容のコーディング、カテゴリ化を行った。分析は 3 名の研究者が分担した。 【結果】2021年6~11月にのべ14名のSPから回答が得られた。学生側、SP側、環境、機器の問題に大きく分けられた。学生側として画面の中の位置、うなずきや復唱といった確認、アイコンタクト、身なりが上半身しかわからない、共感的な言葉、表情のわかりにくさなど。SP側として画像や音声の届き方に対する不安感、トラブル時の対応など。環境としては集中できること。機器として声の聞き取りやすさやPCとスマホの画面の違いなどがあげられた。 【考察】オンラインの医療面接では、特に学生の画面の映り方、確認の言葉、通信状況に対する不安など対面の医療面接とは別の非言語的な要因が共感に影響を及ぼすことが示唆された。一般化するために質問紙調査を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4月からの研究開始を考えていた。医学倫理審査に時間を要したが、6月から研究を開始でき、初年度に予定された質的研究が終了した。また、次年度の研究計画にある質問紙の作成ができた。
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今後の研究の推進方策 |
質的研究の結果から質問紙を作成した。一般化するために2022年度は質問紙調査を行う。COVID-19拡大に伴って医療面接実習がオンラインとなって研究を進めているが、今後の感染状況次第でオンラインの実習から以前のような対面の実習になる可能性もある。その際、オンラインだけの調査ができなくなり、オンラインと対面の実習の比較となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定学会がオンラインになって旅費がかからなかった。2022年度は現地開催が予定されているので研究費の使用を計画している。また、機器も次年度の購入を計画している。
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