研究課題/領域番号 |
21K10366
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
工藤 幸清 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (10214967)
|
研究分担者 |
小山内 暢 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40514138)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 医療従事者 / 被ばく低減 / 線量分布図 / IVR |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、IVR室内の空間線量分布をPHITSによるシミュレーションにより算出した。寝台の上に仰臥位になるよう配置した人体ボクセルファントムの位置(寝台位置)を正中から横方向、または縦方向(頭足方向)に変化させ、ならびにX線管の管球角度を変化させた場合を想定し、シミュレーションにより2次元の空間線量分布データを収集した。次に、得られた空間線量分布図の形状の差異について確認し、評価した。さらに、寝台の位置ならびにX線管の管球角度の情報を入力することで、入力した条件に対応する空間線量分布図と3Dジオメトリを同時にモニタへ表示するシステムを excel visual basic for applications (Excel VBA) を用いて構築した。この表示システムは2条件を入力することで条件の異なる2種類の空間線量分布図・3Dジオメトリを同時に表示することもできるため、条件の違いによる散乱線の分布形状の違いを比較することができ、視覚的にわかりやすいと推察された。 本研究を遂行するにあたり、術者の足部の被ばくが懸念された。IVR装置では術者の下半身の被ばく低減のために寝台から鉛カーテンを垂らしているが、鉛カーテンと床との間には10cm程度の隙間がある場合が多く、術者の足部の被ばくが盲点になると考えられた。そこで、床に鉛板を敷くだけで、術者の足部に相当する位置での散乱線量が減ることが分かったため、結果を報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2次元の空間線量分布図とジオメトリの表示システムを構築し、また術者の足の被ばく低減最適化に資する提案を行ったことから、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度は表示方法について検討する。PHITSにより3次元の空間線量分布データを収集し、3Dソフトウェア Paraview により3次元表示を行う。3次元表示と2次元表示の分かりやすさ等の違いを評価し、結果を報告する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、情報収集や学会参加のための出張がコロナウィルス感染拡大防止の影響により十分に実施できない状況であったことが大きな要因である。 次年度は次年度分として請求した助成金と合わせ、積極的に情報収集や学会参加に加え、データ収集のための人件費と実験機材の充実のための購入費に充てる。
|