研究課題/領域番号 |
21K10368
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高嶋 泰之 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (50706562)
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研究分担者 |
本間 真人 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90199589)
土岐 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90620881)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | DOAC / ダビガトラン / 大規模臨床試験 / 出血 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、直接経口抗凝固薬(DOAC)の当院の実臨床データを後方視的に調査し、副作用予測因子と薬物血中濃度との関係を明らかにすることである。 まずは、DOACの一つであるダビガトランエテキシラート(DE)の実臨床データを後方的に調査し、承認申請資料として使用された大規模臨床試験(RE-LY試験)の患者集団との違い、副作用の発現状況について調査した。 2014年4月~2017年3月にDEを投与したカテーテルアブレーション(ABL)予定の心房細動患者146名を対象にDE投与による出血リスクと、RE-LY試験の適格基準(選択基準及びABL以外の除外基準)との関連を検討した。 ABL予定患者の平均年齢は61.1歳とRE-LY試験150mg群よりも低く、CHADs2スコア0-1の割合は、80.8%とRE-LY試験150㎎群よりも高かった。 出血事象は14名にみられ、そのうち大出血は3名であり、いずれもRE-LY試験150mg群より発生割合が低かった。RE-LY試験の除外基準(ABL以外)に該当したABL予定患者10名のうち5名に出血事象がみられた。除外基準のうち、特に出血リスクの背景要因に該当したABL予定患者5名のうち3名に出血事象がみられた。 ABL予定患者は、RE-LY試験と比較してDE投与による出血事象の発現リスクは低いが、RE-LY試験の出血リスクに関する除外基準は、ABL予定患者でのDEによる出血事象の発現予測にも適用できると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度予定していたダビガトランエテキシラートの患者集団と大規模臨床試験の適格基準との比較が予定どおり進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
ダビガトランエテキシラートの患者データ数を増やし、さらなる出血リスク等の背景因子を特定する。さらに、当該データを用いて、生物学的薬物動態学(PBPK)モデル解析を行い、患者背景の違いによる薬物血中濃度と薬効・副作用との関係を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担研究者2名に25000円分ずつ旅費として分配したが、コロナ禍により学会がWeb開催となり、未使用であったため当該使用額となった。 翌年度も引き続き、分担研究者2名へ学会旅費を分配する。
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