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2021 年度 実施状況報告書

アルコールパッチテストを用いた新たな客観的リスク評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K10380
研究機関愛媛県立医療技術大学

研究代表者

脇坂 浩之  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (30304611)

研究分担者 山田 啓之  愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00403808)
金澤 知典  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (50777133)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードアルコールパッチテスト / サーモグラフィ / ALDH2 / ADH1B
研究実績の概要

2021年度は、本研究の研究倫理審査に関する申請を行い、所属機関の許可を取得後、11月より研究対象者の募集を開始した。研究参加に関する説明会の開催、同意書の取得を経て、今年度分の対象者として29名の対象者(予定は20名)を得ることができた。同対象者に対して、アルコール分解能に関する遺伝子検査およびアルコールパッチテストを行い、パッチテスト時の皮膚温度の変化をサーモグラフィーで、皮膚色の変化を測色計で計測した。
29例の遺伝子検査結果は、ALDH2活性に関しては活性型が22例、低活性型が6例、非活性型が1例であった。ADH1B活性に関しては、高活性型19例、活性型8例、低活性型2例であった。次いで、パッチ部の皮膚温度の変化をサーモグラフィで検討した結果では、パッチにアルコールを含侵させる代わりに蒸留水を用いたコントロール群(n=29)で、皮膚温度が、パッチ貼付前後で平均2.9度低下しており、この温度低下は、パッチ除去後4分後まで有意な低下として認められた(p<0.01)。アルコール暴露を行ったALDH2活性群(ALDH2活性、22例)では、アルコールパッチ除去直後より、暴露部の皮膚温度がアルコール暴露前に比較して平均4.7度低下しており、この温度低下は、パッチ除去後6分後まで有意な低下として認められた(p<0.01)。ALDH2低活性群(ALDH2低活性+非活性、7例)ではアルコール暴露後パッチ除去直後より、暴露部の皮膚温度がアルコール暴露前に比較して平均5.1度低下しており、この温度低下はパッチ除去後3分後まで有意な低下として認められた(p<0.01)。以上により、サーモグラフィーは、ALDH2低活性群の検出に有用である可能性が示唆された。引き続き、対象者の募集と測定を進め、ALDH2、ADH1Bの組み合わせ、測色計による皮膚色の変化を含め、検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

倫理審査が通った後、研究対象者の募集、説明会の開催、同意書の取得、検査と進めた。29名について2022年3月までにALDH2遺伝子活性さらにADH1B遺伝子活性に関する遺伝子検査を実施し、アルコールパッチテストを行うことができた。アルコールパッチテストは、肉眼判定およびサーモグラフィ・測色計を用いた皮膚の変化を測定した。得られたデータを解析し、皮膚温度とALDH2遺伝子型さらにADH1B遺伝子型との関連性について検討継続中である。

今後の研究の推進方策

引き続き研究対象者の募集を行い、研究を進める。2022年度は、遺伝子検査およびアルコールパッチテストを40名以上行う予定であるが、コロナウイルスの感染状況が悪化しているため、状況をみながら実験を再開する予定である。

次年度使用額が生じた理由

必要な物品の一部の購入を翌年に行うこととしたため。

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公開日: 2022-12-28  

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