研究課題/領域番号 |
21K10385
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
原田 有理沙 産業医科大学, 医学部, 助教 (80893867)
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研究分担者 |
原田 佳和 産業医科大学, 医学部, 助教 (70744100)
立石 清一郎 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (80570861)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 治療と仕事の両立支援 / 就労継続 / 復職 |
研究実績の概要 |
本研究では、治療と職業生活の両立支援における疾患毎の復職課題と休業期間の関連性の解明を進める。本研究では、1)疾患毎の復職課題の特性についての後向きコホート、2)疾患毎の復職課題と休業期間の関連性についての3年間の前向きコホート、3)4年目にこの成果から得たエビデンスを基に、早期復職・安定した就労継続を目指した両立支援プログラムの比較試験を実施し、その効果評価を行う。最終的に、本研究は休業期間を短縮し、本人と職場ひいては日本の経済活動に貢献する。 本研究の目的は、医療機関での500例規模の患者群での後向きコホート研究を行い、治療と仕事の両立支援における疾患毎の課題の発生や困難性の偏在を明らかにし、併せて、600例規模の患者群での前向きコホート研究でICD-10分類を参考にした19の疾患群の各々における、10のカテゴリを用いた復職課題の発生について調査し、復職に要した期間(休業期間)との関連性の解析も試みる。最終目標として、この知見に基づいた、両立支援コーディネーターによる「復職課題」への早期介入アプローチとして効率的かつ実行可能な支援策を考案し、その支援策によって、健康度の回復が促進され職場復帰が早まるのかを比較試験によって検証する。 2021年度は、研究計画①後向きコホート研究(2021~2022年度)の倫理申請および症例データベースの整備に努めた。:産業医科大学病院 両立支援科外来において、ICD-10分類を参考にした19 の疾患群各々における復職課題(10のカテゴリ)の発生の特性について、カルテ情報や質問紙を用いた500例規模の調査及び解析を予定している。現在、300例余の症例データ(医療情報および復職課題情報)を収集済みであり、比較検討できる準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電子カルテシステムの改修及び移行によりデータ抽出方法の習得が必要なため、研修を受講するなどしているが、必要なデータを収集できており、順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画①後向きコホート研究(2021~2022年度):データ整理に着手し、解析を実施する。②前向きコホート研究(2022~2025年度):産業医科大学病院両立支援科外来において、19の疾患群各々における復職期間について、患者の抱える復職課題(10のカテゴリ)の変化(発生量、解決あるいは消失量)によって評価し、600例規模の3年間の調査及び解析を実施予定である。次年度は復職課題の評価指標の問診票を整備及び現場で実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、出張を伴わない学術活動に制限されたため、未使用額が発生した。次年度は、解析に必要なOA機器購入や論文投稿費に使用する予定である。
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