研究課題/領域番号 |
21K10387
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研究機関 | 公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所) |
研究代表者 |
西村 正大 公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所), 地域医療研究所, リサーチフェロー (40898475)
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研究分担者 |
中村 正和 公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所), ヘルスプロモーション研究センター, センター長 (00450924)
望月 崇紘 公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所), 地域医療研究所, 研究員 (00898843)
藤原 直樹 公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所), 台東区立台東病院, 副管理者 (70458313)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 診療の質改善 / プライマリ・ケア / 糖尿病 / 電子カルテ |
研究実績の概要 |
2023年度には,4施設の4QI指標(HbA1c,血圧,LDL-Cho,喫煙)の安定した収集体制を構築することができた.持続可能性を担保するため,現地におけるデータ入力体制は,できる限り診療の一環で行われるように工夫した.データ提出体制は,可能な限り自動化を行い,負担を軽減する仕組みを整えた.データ分析は研究者が行なったが,同様に,持続可能性と発展性を加味した,効率的なプロセスを工夫した. 収集されたデータを用いて,定期的なQIコーチングで診療所にフィードバックを行った.QIコーチングは,研究計画段階では診療所医師を対象に行うものと,チームを対象に行うものの2種類を想定したが,4施設中3施設は,診療所の規模が小規模(スタッフ数名)であり,医師を対象に行うコーチングで十分と考えられた.4施設中1施設は,診療所の規模が中規模(スタッフ数十名)であったため,チームを対象にしたQIコーチングを行った.コーチングはオンラインを中心としたが,現地訪問も実施した. 2023年10月には,参加4診療所合同の報告会を開催した. 2023年11月に.これらのプロセスと途中経過について,診療所QIが先進的に行われているオーストラリアで開催された国際家庭医療学会(WONCA)で発表した. Nishimura M, et al. “Building the Quality Improvement Initiatives Embedded to Daily Diabetes Care in Primary Care Clinics in Japan.” WONCA 2023 World Conference. Sydney Australia, Oct 2023
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き目標となる糖尿病診療の4指標(HbA1c,血圧,LDL-Cho,喫煙)の情報を定期的に収集し,フィードバックを行っている.2021年から2022年の新型コロナパンデミックの影響で参加4診療所からのデータ収集体制の構築に遅延があり,研究成果をまとめるためのデータ量が不足していると判断し,活動を1年間延長し対応している.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2024年度には,本活動の成果をまとめ,報告する予定である.具体的には,指標の改善状況の記述,分析とともに,収集プロセスの記述,活動に関わった研究者,診療所医師,スタッフからアンケートまたはインタビューを行い,本活動の意義,実行可能性について記述する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者の業務上の事情により,当初計画していた現地訪問の多くをオンラインでの対応に切り替えた.そのため,計画していたバイアウト費を使用する機会が減少した.一方で,データ収集と研究解析に新たな課題が出現し,生物統計を専門とする研究者に協力を依頼する必要性が生じたため,次年度に執行予定とした.
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