研究課題
本研究では、臍帯血中バイオマーカーの分析、また疫学調査データと組み合わせたデータベースの構築により、神経発達症の主たる環境要因の探索的解析を目的としている。具体的には、臍帯血中の各種サイトカイン、脳障害マーカーを明らかにし、脳障害マーカーのタイプ別に、出生後の神経発達症に関連する指標を解析する。さらに、臍帯血中の各バイオマーカーと環境要因(周産期ストレス、生活習慣等)との関連を解析する。令和3年度は、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加した長野県の母子の約500組から採取された臍帯血の保管状況の確認等を行い、エコチル調査からの研究実施の承諾を得て、生命倫理審査等の各種手続きを完了した。また、測定系の準備を進めた。令和4年度は、臍帯血中バイオマーカーの測定を開始した。令和5年度は、①本研究以前に測定された臍帯血中バイオマーカー分析済みの227例に関する測定データとエコチル調査全固定データを紐づけ、これらを組み合わせた解析をした。②令和4年度に無作為に選び測定した160検体の測定結果も同様に解析した。本研究で令和4年度に測定した集団は、神経発達症のスクリーニングASQの得点がカットオフ値を下回る割合(スクリーニング陽性群)が少なく、スクリーニング陽性群のサンプルサイズが十分に得られなかったことから、以上の結果をベースラインとみなし、令和5年度は後向きにASQカットオフ値を下回る症例群40例(再測定も含む)の臍帯血中のバイオマーカー測定を実施した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 備考 (1件)
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https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/pmph/index.html