研究課題/領域番号 |
21K10394
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥田 裕子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30709663)
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研究分担者 |
S Youssefian 京都大学, 医学研究科, 教授 (00210576)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小児四肢疼痛発作症 / 疼痛 / 寒冷暴露 / SCN11A / SCN10A / チャネロパチー |
研究実績の概要 |
我々は、①乳幼児期から周期性四肢大関節疼痛を生じる、②思春期以降に緩和する、③寒冷曝露によって誘発・増悪するという特徴的な症状を示す日本人家系を対象に原因遺伝子の探索を行い、SCN11A遺伝子の変異(p.R222SH/S, F814C, F1146S)を原因として特定し(Okuda et al., 2016)、本症を「小児四肢疼痛発作症」と命名した。2016年以降継続中の疫学的調査(Kabata et al., 2018)により、本症は全国に分布し、本疾患患者の約8割は寒冷によって疼痛が誘発され、疼痛発作時は就学が困難となるほど小児のQOLを損なう要因となっていることが分かってきた。しかし、Nav1.9変異と寒冷曝露による疼痛発作がどのようなメカニズムで誘発されているのか未だ不明な点が多い。よって本研究では寒冷誘発による疼痛を再現できている(Matsubara et al.; 2020)本疾患のモデルマウスを用い、疼痛経路における神経細胞の興奮について、活動電位の主要な構成成分であるNav1.8, 1.9に着目することで寒冷暴露条件におけるNav1.8, 1.9の神経の発火活動への関与を明らかにし、神経原生疼痛メカニズムを解明することを目的とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疼痛発作メカニズムを検討するため、小児四肢疼痛発作症の原因遺伝子変異をもつ疼痛モデルマウス、および対象の野生型マウスを用い、CRISPR/Cas9でNav1.8を欠損させた2系統を確立した。それらの表現型を確認するため、4週から10週まで体重測定、および産仔状況の確認を行い、Nav1.8欠損による顕著な表現型の変化はないことを確認した。それらマウスを用い、6-8週齢のマウスを寒冷条件(4℃で16時間以上)で飼育し、疼痛行動の解析としてvon Frey法を行ったところ、Nav1.8null/Nav1.9変異マウスにおいて、疼痛行動の再現が確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の予定通り、作成したNav1.8null/Nav1.9変異マウスを用い、疼痛伝達経路である後根神経節細胞での寒冷暴露下におけるNav1.8/Nav1.9変異の発現状況の変化を確認する。そのため、Nav1.8WT/Nav1.9WT,RSマウス、および1.8null/Nav1.9WT, RSマウスの組織切片を作成し、免疫染色を行い、発現状況の比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
来年度以降において、マウスの電気生理実験および免疫染色用のマウスの繁殖を拡大するため、その費用に本年度未使用分を使用する。
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