| 研究課題/領域番号 |
21K10401
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| 研究機関 | 札幌医科大学 |
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研究代表者 |
アウン メイジソウ 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10749584)
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| 研究分担者 |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | グラム陽性球菌 / リネゾリド耐性 / 分子疫学 |
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| 研究実績の概要 |
リネゾリド（linezolid）はMRSA、VRE等の感染症に有効な薬剤の一つとして世界的に広く使用されているが、近年新規耐性遺伝子（optrA、cfr）を獲得したリネゾリド耐性菌が世界各国で報告されている。本研究では、日本において各種臨床材料から分離される黄色ブドウ球菌、腸球菌等を対象として耐性菌の分布状況と新規耐性遺伝子・耐性機序を解析する。合わせて遺伝子型、病原因子の分布を含め、疫学的特徴を明らかにすることを目的としている。
今年度は北海道において分離された黄色ブドウ球菌、S.argenteus、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌を対象とし、薬剤感受性の評価およびoptrA、cfrの検索を行った。血液由来MRSA279株、S. argenteus臨床分離株109株、健康成人（歯科受診患者、歯科医療従事者）由来黄色ブドウ球菌・S.argenteus163株、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌株351株、を対象としたが、これらの中にMIC4μg/ml以上を示すリネゾリド耐性菌は無く、optrA、cfrは検出されなかった。しかしMICが2μg/ml（感受性の中でもMICがやや高いもの）の株は、血液由来MRSA株で5％、S. argenteus臨床分離株で25％、健康成人（歯科受診患者、歯科医療従事者）由来の黄色ブドウ球菌・S.argenteusで33％、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌で13％に認められた。過去に分離・保管されていたミャンマーの黄色ブドウ球菌では、MRSAの6％、MSSAの4％が該当した。2μg/mlの場合、耐性とは判定されないが、MICが増高し耐性に近づいていると考えられ、optrA、cfrとは異なる機序で感受性が低下していることが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに多数のブドウ球菌株を収集し、リネゾリドに対するMICを測定するとともにoptrA、cfrの保有を調査することができたため。リネゾリド耐性菌は検出されなかったが、MICが増高した菌株の存在を明らかにしたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
黄色ブドウ球菌臨床分離株、健康人口腔に由来するブドウ球菌、食品等環境中に分布するブドウ球菌を引き続き収集し、リネゾリドに対するMICを測定し感受性を評価する。MICが2μg/mlの菌株に対し、耐性に関連すると考えられる遺伝子の変異の有無を解析する。腸球菌臨床分離株を対象に、リネゾリドに対するMICを測定するとともにoptrA、cfrの保有を調査する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
直接経費はほぼ予定通りに使用したが、年度末に若干の残余が生じたため。残余分の経費は、次年度において本研究で使用するプラスチック製品の購入に充てる予定である。
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